昨年秋にカバークロップ※として適当にクローバーを播いてみました。
翌年、播いた場所にナスを定植。
定植時から夏(5月初旬から8月)まで、
草丈が低く抑えられてとても助かりました。
草丈を低くするための草刈りはまったくしないですみました。
畑や田んぼの畔にクローバーがよく育てられると聞きましたが、
そういうことだったのか!と納得しました。
今回はクローバーをカバークロップにしたナスの畝と、
(雑)草をカバークロップにしたキュウリの畝とを比較しながら書いてみます♪
(草好きなので雑草を「草」と呼びたい私です)
※カバークロップ
被覆植物とも呼ばれる、
土を裸にしないために育てられる植物。
クローバーやヘアリーベッチなどがある。
植物を生やすことで保湿や、
土壌生物を生息させて土の健全さを保つことに役立つほか、
土壌流失などにも効果があるといわれる。
ホワイトクローバーについて
野口種苗さんから購入した種を使用しました(野口種苗ホームページ⇒)。
品種:雪印種苗の中葉種「フィア」
種まき時期:春まき(3~7月)、秋まき(8~10月)
覆土:しない
注意:
□種まき後5年くらい残存
□生育が旺盛なので他の植物がある場合注意する
ナスの畝
最終的に
クローバー、カキドオシ、つゆ草、ハコベ、ヤブガラシなどが見られました。
クローバーとカキドオシが特に目立っていた印象です。
クローバーの種まき
昨年の10月末ごろ、
ソラマメと玉ねぎを植えつける際に除草した時に、
種をまきました。
●鎌で除草
●枯草マルチ
をしています。
鎌を土中に入れて草を刈り、
枯草をその上に敷きました。
「標準播種量は1アールあたり500グラムから1キログラム」とあるのですが、
適当に播きました
よかったらこちらもご覧くださいね♪
◆ソラマメの種まき【家庭菜園で無農薬無肥料で野菜づくり】(こちら)
ナスの定植時
ナスは5月のゴールデンウイーク明けくらいに定植しました。
その頃の畝の様子(畝全体の写真がないのでソラマメの写真)です。
ソラマメがまだ残っています。
カラスノエンドウ・スズメノエンドウ、
スギナやイネ科の草も生えていました。
11月に枯草をしいたので、
草の量は結構抑えられていたと思います。
ぼんやりしていてクローバーをよく観察していなかったのですが、
クローバーはあまり目立っていなかったような記憶です。
定植する場所のまわり(直径20~30センチメートルほど)は、
鎌を土中に入れて草の根を適当に取り除きました。
定植した苗元には軽く草をかけておきました。
ちなみに半月くらい前の、
4月の中旬くらいはこのような具合でした。
草は少なめです。
その後の様子(5月以降)
定植から2週間くらいしての様子。
クローバーも左上に少し見えています。
定植後3週間くらいです。
ソラマメがほぼ終わっています。
ソラマメは地上部を刈ってそのまま畝の上に置きました。
7月はじめくらいです。
苗の足元はまだ敷いた枯草が覆っていますが、
周囲に徐々にクローバーが目立ってきています。
こちらも7月はじめくらい。
7月中旬くらいです。
雨が多く、
クローバーが旺盛に繁茂しはじめました。
雑草だけの場合は株を囲むように徐々に草丈が高くなっていくのですが、
草丈は低いまま。
すごい!と思いました。
足元をクローズアップしてみます。
他の箇所よりもカキドオシが大きく成長しているかも?
と思いました。
カキドオシの形がなんだかチャーミングでした(*^▽^*)
長雨が明けた8月はじめ頃です。
雨が多すぎてナスの葉は何度もボロボロになってしまいました。
今年の夏は猛暑&少雨でした。
ナスには根元をピンポイントで狙って、
できる限り水やりをしましたが、
周囲へ潅水する余裕はまったくありませんでした…。
さすがのクローバーも8月下旬に入って暑さ&乾燥にやられているものも。
乾いたササの葉みたいに細くなってしまったのはつゆ草です。
その後雨もちらほらあり、
9月に入った現在、草が乾ききってしまうことは免れています。
クローバーは5年くらいはもつとのこと。
今後どうなっていくかをまた観察していこうと思います。
なすの定植の様子を別記事に書きました。
ご興味のある方がいらしたらご覧になってみてくださいね♪
■なすの定植【無農薬・無肥料・草生栽培で家庭菜園の野菜づくり】(こちら)
感想
一番良かったと思ったこと
長雨時と夏中、
草丈が低く抑えられたことです。
おお!!と思いました。
種まきの時に、
畝全面をある程度鎌で除草していたおかげで、
クローバーの効果が上がったのだと思っています。
長雨時、
クローバーとカキドオシがムシムシするかな?と思って、
一部だけ、地上部を2回程刈っています。
ヘアカットでいう、
薄くする感じでしょうか。
効果があったかは…、不明です(^^;)
他の草の状況
クローバーが目立ちはじめた5月頃以降、
一緒に生えていた草として、
カキドオシ、つゆ草、ハコベ、ヤブガラシ、カタバミなどが見られました。
クローバーとカキドオシが特に目立っていた印象です。
ナスへの効果
私の主観になってしまうのですが、
マメ科の根粒菌※効果か、
育ちは結構良かったのではと思います。
梅雨明け後は雨が少ない上に高温続きで、
水やりが省けるという効果はありませんでした。
水が十分あげられなかった上に、
早くに種採り用の実を大きくしはじめたため、
ナスの実つきはよくありませんでした。
水やりが十分にできていたら違った結果が得られたか?
制約も多い場所なので、
夏の水やりはいつも悩ましいところです。
この点はまた別のチャンスに検討できればと思います。
(1年に1回しか夏野菜を作れないのがもどかしい!)
※根粒菌
マメ科植物の根に共生し、根にこぶ状のものをつくる土壌細菌。
空気中の窒素を固定し、植物に栄養分を供給する一方で、
植物が光合成で生産した炭水化物を得ているそうです。
(コトバンクなど参照)
別の記事で根粒菌のついたカラスノエンドウの写真を載せました。
よかったらこちらもご覧くださいね♪
●雑草が肥料に!?~カラスノエンドウの根粒菌が家庭菜園の地力UPに
【野草(雑草)】【無農薬・無肥料・草生栽培で家庭菜園の野菜づくり】
(記事)
キュウリの畝
キュウリの畝にも草の上から少しクローバーを播いてみましたが
前年の8月の終わりに、
今のキュウリの畝には白菜の種をまきました。
その時はクローバーを播きませんでした
(というかクローバーを播くという発想がありませんでした。)
10月の終わりごろ、
畝の上からクローバーの種を振りまいてみました。
除草はしておらず、
草の上から播きました。
結果として、
除草をしなかったためだと思うのですが、
ナスの苗のように生えているのが一見してわかるような状態にはなりませんでした。
今は(2020年9月はじめ)、
他の場所と同様に草がカバークロップになっている状態です。
キュウリの定植時
5月中旬から下旬にかけてキュウリを定植しました。
前年から植わっている白菜の種採りにチャレンジしたので、
白菜の株がまだ残っている中に植えつけました。
(白菜の種採りについて~アブラナ科の種採りの記事も書いてみました♪
■アブラナ科の種採り実験【無農薬・無肥料・草生栽培で家庭菜園の野菜づくり】(こちら))
こんな感じで定植する部分だけ草を刈りました。
ヨモギやイネ科の草、スギナ、タンポポ、カラスノビシャク(漢方生薬にもなるそう♪)などが
見られます。
■きゅうりの定植【無農薬・無肥料・草生栽培で家庭菜園の野菜づくり】(こちら)
ご興味があったらぜひご覧になってみてくださいね♪
■畑で「カラスノビシャク(半夏:ハンゲ)」をみつけました!【薬草:漢方生薬】
(こちら)
■夏の家庭菜園~きゅうり・さつまいもの足元、ニンジン種まき準備、いろんなところに薬草を見つけました:カラスノビシャク(ハンゲ)
【無農薬・無肥料・草生栽培で家庭菜園の野菜づくり】【薬草:漢方生薬】
(こちら)
その後の様子
何度か草を地上部だけ刈って苗の足元に置きました。
背が高くなりすぎた草があればその部分だけをはさみで切って株元に置いています。
以前に何度か勢いよく草刈りして、
キュウリがぐったりして駄目になったことがあります。
草を刈らないようにしてそのようなことが起こらなくなりました。
草を生やしていると湿気も大分保ってくれるので基本的には刈らず、
必要な時は背の高い部分だけを切る程度にしています。
7月初めごろです。
株元にはヨモギやヤブガラシ、ギシギシなどがみられます。
先ほどの株の隣の株です。
右端にはギシギシも見えます。
クローバーやカキドオシもナスの畝ほどではありませんが生えています。


収穫は終わっていて、
種採り用キュウリが成熟するのを待っています。
株元、ヨモギが特に背が高くなっています。

キュウリお疲れ!


感想
草の状況
特に印象に残っているのはヨモギ、ヤブガラシ、イネ科でしょうか。
背の高い草があると、
ついついそちらに目を奪われて、
背の低い小さな草を見落としがちで、
見えていなかった草も結構あるかもしれません(^^;)。
ナスの畝とは違いクローバーやカキドオシは目立ちませんでした。
草が高く茂って土の湿気が保ちやすいからか、
8月終わりの草の様子はナスの畝よりも元気そうでした。
キュウリへの効果
例年キュウリは草の中で育てており、
年々状態が良くなってきているような印象です。
草の中で育てることは好影響なのかなと思っています。
草丈が高くなればその分土も乾きにくくなるので、
背の高いキュウリはクローバーを使わなくても草のカバークロップで
丁度良いのかもしれません。
ただ、ナスと同様に、
キュウリも水やりが必須です
(本当に水大切です…)。
クローバー・(雑)草をひと夏生やしてみた感想まとめ
ナスとクローバーについて
クローバーの栽培条件
□10月末に種まき
□播いた種の量は標準よりおそらく少なめ
□種まき前に鎌である程度除草
□畝全面に枯草マルチ
良かった点
○他の雑草の草丈が低く抑えられた
○他の草と混生できる
(他の草すべてを駆逐してしまうことはありませんでした。
草の多様性があると土壌生物にも好影響と読んだことがあります。
ある程度の草の多様性を保つことができて良いかもしれません。
クローバーを播く量を多くした場合はまた違う結果になるのかもしれません)
○土壌生物に良好な生息環境(草の多様性と相関関係⇒土の健康に役立つ)
○根粒菌の働きで野菜の成長をたすけてくれる
他の工夫が必要な点
●野菜の水やりが不要になるわけではない
●高温・少雨がつづくとクローバー自体が弱る可能性
1番目について、
穏やかな夏であれば水やりを減らすことができるかもしれません。
(穏やかな夏になってほしい!)
2番目について、
私の地域では8月は総じて高温・少雨でした。
厳しい天候が続いて、
8月の終わりにはクローバーなどもつらそうな感じでした。
個人的には土を裸にしておきたくないので、
ひどい干ばつが起こったような場合は草の様子をみながら、
枯草マルチをプラスするなど何か対応が必要かもしれません。
また、クローバーを播く量を増やして実験もしてみたいと思いました。
キュウリと雑草について
キュウリ定植時の畝の状況
□前作の白菜が残る中に定植
□除草は定植場所のみ
□キュウリがある程度大きくなるまではキュウリが日陰にならない程度に草刈り
良かった点
○いろいろな草が混生する(草の多様性)
○土壌生物に良好な生息環境(草の多様性)
○草丈が高くなることで土の乾燥を防ぐ力がUP
○ある程度根元を草が隠してくれることで、
キュウリの獣害を防げる
(地表に実がついていた種採り用キュウリ2本ほど、
動物に食べられてしまいました(^^;)
他の工夫が必要な点
●野菜の水やりが不要になるわけではない
●草丈が高くなりすぎた場合に対応が必要
まとめ
ナスの畝をみて、
畝だけではなく、
夏に草刈りが大変なところにクローバーを播けたらいいなと思いました。
もっとも今回私が試した限りでは、
効果を出すには種まきの時にある程度除草が必要に思えたので、
最初は手間がかかりそうです。
でもクローバーは一度まけば5年程度はもつそうなので、
もし効果が持続するならやってみる価値はあるのかも。
耕運機を使えるなら、
最初に浅くかけて種をまいてもよいのかもしれません。
どれくらい効果がもつか観察したいと思います。
一般的に年々農作業や草刈りに手を貸してくださる方たちが減りつつあり、
畦などの草刈りが大変になってきて、
やむをえず農薬を使わざるをえない場合もあると、
聞いたことがあります。
畦や耕作放棄地管理もかねて、
カバークロップをつかって何か仕事がつくれたら、
この時代に役立つかもしれませんね。
田んぼや畑にたくさん人が戻ってきてくれたらいいなあ。
力強い味方になってくれそうなクローバー、
もっと活用してみようと思います(*^▽^*)
読んでくれてありがとうー!!
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