(放線菌は代表的な土壌細菌であり、
他微生物と共存して有機物を分解する役割があるという。
落ち葉が堆積するところにも繁殖するという。
冒頭の写真は落ち葉や枯草を山にしたところをかきわけたもの。
地面に接したところで落ち葉や枯草が分解されて黒っぽい土になっている。)
この記事で紹介する論文は、
海外の団体(FLCCC)の論文です。
この記事は最新情報をアップデートしていません。
最新情報については各自でご確認ください。
(ウィジェット欄にも情報ソースを掲載しています)
少し前にイベルメクチンという薬が、
新型コロナウイルスの治療薬として脚光を浴びていると知った。
イベルメクチンは土壌に生息する放線菌が出す物質をもとにつくられたという。
土にいる放線菌にそのような力がと驚いたが、
抗生物質の約3分の2は放線菌のうみだす物質からつくられており、
結核の薬として多くの人々を救ったストレプトマイシンも
土壌放線菌の生産物からつくられたのだという。
イベルメクチンを中心となって開発したのは、
北里研究所の特別栄誉教授である大村智博士である。
抗寄生虫薬として、
世界的に約40年もの間用いられてきたイベルメクチンの貢献が認められ、
2015年に大村博士はノーベル賞を受賞している。
大村博士が農家のご出身であり、
著書に「自然は答えを持っている」(潮出出版)というタイトルの本があるとも知って、
イベルメクチンに大変興味が湧いた。
そこでイベルメクチンについてインターネットで検索してみたところ、
学校法人北里研究所ウェブサイトのプレスリリースにたどりつき、
2020年12月17日付けの記事と資料を目にした。
その資料には、
世界各地でイベルメクチンの新型コロナウイルス(COVID-19)に対する
治験・研究がすすんでいるということについて記されており、
そのような薬があるのかと大変驚いた。
非常に重要な資料であると感じたため、
このブログでもご紹介させていただきたいと思った。
お時間のない方は、
学校法人北里研究所ウェブサイトのプレスリリースに以下から飛んで、
【資料】をぜひご覧いただきたい。
「大村智特別栄誉教授、花木秀明大村智記念研究所教授、八木澤守正客員教授が
西村康稔経済再生担当大臣を訪問し、イベルメクチンの世界的状況などについて
情報交換をしました」※1⇒
また、この資料には、
主にアメリカの救命救急現場で医療に従事する医師らの団体
(FLCCC:COVID-19最前線最前線救急救命同盟)が作成した論文から、
ペルーで行われたイベルメクチンの大規模な配布試験例の結果を表にしたものが
添付されている。
この試験では、ペルーの8州で60歳以上の住民にイベルメクチンを大量に配布し、
一方リマ州で数カ月後にイベルメクチンでの治療を開始して比較したという内容である。
イベルメクチンの大量配布を行った8週では、感染発生数と致死率が大きく減少したという
結果がでている(「ペルーにおける大量配布の効果」※2⇒)。
学校法人北里研究所の創設者は、
日本の「近代医学の父」、「細菌学の父」として知られる北里柴三郎氏である。
学校法人北里研究所では、
新型コロナウイルスへの包括的対策プロジェクトが行われており、
同研究所・北里大学大村智記念研究所の感染制御研究センター・感染創薬学講座
(以下「感染創薬学講座」と略して記載させていただく)のウェブサイトでは、
イベルメクチンについての論文訳など有益な情報を掲載してくださっている。
関心のある方は同講座のウェブサイトをご覧いただきたい(ウェブサイト※3)。
生活と健康に不安を持たずに毎日を過ごせるようになってほしい。
会いたい人に会いにいけるようになってほしい。
早く日本の国が、人の生活と命を重んじる方向へと
方針を切り替えてくれるよう切に願う。
検査と隔離の徹底とともに、
安全性や効果の未知数なワクチンよりも、
予防・治療に役立つ、
実績のある薬の検証・活用に取り組んでもらえることを切に願う。
私は医療従事者ではなく、医学のバックグラウンドもない。
理解が不十分な点もあるかと思う。
その点はお読みになった方ご自身でさらにお確かめいただきたい。
専門的な説明や見解を付することはできないが、
すべての人の命が大切にされるよう願いをこめて、
この記事を投稿する。
注:この記事でブログ管理者が一部訳出しているFLCCCの論文「Review of the Emerging Evidence Demonstrating the Efficacy of Ivermectin in the Prophylaxis and Treatment of COVID-19」は2020年12月18日付け更新分である。現在(2021年1月16日確認時点)、FLCCCのウェブサイトには2021年1月12日付け更新の論文が掲載されている。加筆・変更・削除も見られるので、詳細は原文をご確認されたい。
- はじめに~この記事の構成について
- まず驚いたこと~学校法人北里研究所2020年12月17日付けプレスリリース(西村経済相を訪問)資料を見て
- そこで調べてみた~FLCCC(COVID-19最前線救急救命同盟)の 論文:「COVID-19の予防・治療におけるイベルメクチンの有効性を示す新たな根拠の概観」
- イベルメクチンはどんな薬?~イベルメクチンについて
- イベルメクチンの元~土にすむ小さな「放線菌」の生産物
はじめに~この記事の構成について
この記事は、
学校法人北里研究所のプレスリリースや
海外の救命救急医らによる団体の論文、
土壌放線菌や報道の独立の問題などに触れており、
話が点々とするとお思いになる方もいらっしゃるかもしれない。
このことは、
私の頭の中が以下のような経緯をたどってこの記事を書くことになったからであり、
はじめにその経緯をご説明させていただきたいと思う。
①北里研究所のプレスリリース資料を見て、
●世界各地で新型コロナウイルスの予防・治療・感染伝播防止の治験・研究が行われている薬(イベルメクチン)があること
●世界各国でイベルメクチンの治験・研究が進んでいること
●海外では数都市の住民に大量配布する試みをしている国まであること
●その薬の開発に中心となった人物が日本人であること
などに大変驚いた。
②もっとよく知りたいと思い、
プレスリリース資料の引用元の論文や、
執筆団体のウェブサイトを見て、
世界各地での動きを実感してさらに驚いた。
③イベルメクチンがどのような薬かよく知らないことに気づいて、調べてみた。
④イベルメクチンが土にすむ土壌放線菌の出す物質によりつくられていると知ってまたも驚き、
また、家庭菜園をしている身として大変嬉しく感じた。
⑤それと同時に疑問が湧いた。
イベルメクチンを中心となって開発された人物が日本にいて知見に恵まれているのに、
どうして他国のような治験がおこなわれないのか。
感染爆発が起こり、
自宅で亡くなっている人も増えているのに、
生活不安で自殺する人も増えているのに、
医療現場からは悲鳴が上がっているのに、
イベルメクチンの海外での治験・研究結果がどうして大きく報道されないのか。
心の底から疑問に思った。
感染爆発が止まらない今、
海外の治験・研究結果についても早急に検討することが日本でも求められることではないのか。
何か自分にできることがないかと思い、
ブログに記事を書こうと思うに至った。
以上が私の頭の中で起こったことである。
まず驚いたこと~学校法人北里研究所2020年12月17日付けプレスリリース(西村経済相を訪問)資料を見て
世界各地でのイベルメクチンの治験・研究結果:プレスリリース資料から
私が見て驚きを隠せなかったのは、
プレスリリース資料の7ページ目である。
7ページ目の内容は、
海外の医療従事者団体「FLCCC:COVID-19最前線救急救命同盟」の論文からの引用であり、
その訳文は、学校法人北里研究所のウェブサイトに掲載されている。
「新型コロナウイルスに対するイベルメクチンの現状 世界的状況と北里大学の取組」※4
(⇒)
まずはこの資料をご覧いただきたく、
以下に一部引用する。
(※文中の「SARS-CoV-2」は、
新型コロナウイルス(病名:COVID-19)を引き起こすウイルスの名称)
2)イベルメクチンはSARS-CoV-2複製を阻害し、感染細胞培養では48時間でほぼ全てのウイルスが消滅する28)
3)イベルメクチンは、炎症の最も強力なメディエーターであるサイトカイン産生と核因子-κB(NF-κB)の転写の双方に深遠な阻害を示すというin vitroデータにより強力な抗炎症作用を持つことが示されている29-31)
4)イベルメクチンはSARS-CoV-2と類似のウイルスに感染したマウスに投与すると、ウイルス量を顕著に減少させ、臓器の損傷から保護する32)
5)イベルメクチンは、感染した患者に曝露された人のCOVID-19感染の伝播と発症を防ぐ33~35、52)
6)イベルメクチンは、症状発現後の早期の治療により軽症から中等症の患者の回復を早め悪化を防ぐ36~41、52)
7)イベルメクチンは、入院患者の回復を早めICU入室と死亡を回避する 41、42、52)
8)イベルメクチンはCOVID-19の重篤患者の死亡率を低下させる42、43)
9)イベルメクチンは、広範に使用されている地域において、致死率の著しい低下をもたらす44~46)
10)イベルメクチンの安全性、入手可能性、およびコストは、ほぼ40年間の使用における数十億回の投与で観察された副作用は軽度でまれなもののみであり、そのほぼゼロといえる薬剤相互作用を考えると、ほぼ比類のないものである47)
11)世界保健機関は、長い間、その「必須医薬品リスト」にイベルメクチンを含めてきている48)
2020年5月:西村経済相は北里大村智記念研究所を視察
なお、2020年5月6日、
西村経済再生担当大臣は、
新型コロナウイルスの治療薬としてイベルメクチンに期待が高まっていることから、
同大学大村智記念研究所を訪問している。
(「西村康稔経済再生担当大臣が大村智記念研究所の視察にご来訪されました」※1⇒、
「西村経済再生相 治療薬の研究大学を視察 」NHK2020年5月6日⇒※5)
そこで調べてみた~FLCCC(COVID-19最前線救急救命同盟)の 論文:「COVID-19の予防・治療におけるイベルメクチンの有効性を示す新たな根拠の概観」
はじめに
注:この記事でブログ管理者が一部訳出しているFLCCCの論文「Review of the Emerging Evidence Demonstrating the Efficacy of Ivermectin in the Prophylaxis and Treatment of COVID-19」は2020年12月18日付け更新分である。現在(2021年1月16日確認時点)、FLCCCのウェブサイトには2021年1月12日付け更新の論文が掲載されている。加筆・変更・削除も見られるので、詳細は原文をご確認されたい。
先にご紹介したプレスリリース資料を見てあまりにも驚き、
世界で行われているイベルメクチンの治験・研究結果についてさらに知りたいと、
資料の引用元である論文自体と、
論文執筆者の団体(FLCCC:COVID-19最前線救急救命同盟)のウェブサイトを
見てみることにした。
そこでさらに驚いたのは、
海外ではイベルメクチンを使用した数多くの治療試験が行われているようであり、
中には数都市を比較する大規模な試験も行われているということだった。
論文のすべてを理解できたわけではないのだが、
論文の主な項目とその一部について、
以下にご紹介したい。
論文の内容をご紹介するにあたっては、
FLCCC自体と、
その治療方針についてはじめに記載しておく。
論文は、
「Review of the Emerging Evidence Demonstrating the Efficacy of Ivermectin in the Prophylaxis and Treatment of COVID-19(COVID-19の予防・治療におけるイベルメクチンの有効性を示す新たな根拠の概観)」
である。
原文:FLCCC:COVID-19最前線救急救命同盟、
2020年11月11日付け⇒※7
2020年12月18日更新(2021年1月12日確認)⇒※8
訳文:八木澤守正氏、学校法人北里研究所・北里大学大村智記念研究所
感染制御研究センター・感染創薬学講座感染創薬学講座(⇒)※9
論文の引用については、
「感染創薬学講座」ウェブサイト内に掲載されている、
八木澤守正氏の訳文を引用させていただき、
原文が更新※されている部分についてはブログ管理者が訳出して記載している。
ブログ管理者の翻訳部分については、
医学的専門知識がなく、
正確を期したつもりではあるが理解が不十分な点もあるかもしれない。
厳密な理解には更新された原文をご確認いただきたい。
※本論文は2020年12月18日に更新されている。
なお、更新前の原文と訳文は、「感染創薬学講座」ウェブサイト※3⇒上に掲載されている。
(COVID-19対策 北里プロジェクト内
「COVID-19の予防と治療におけるイベルメクチンの使用を支持する新たな証拠の概観」参照)
【重要】FLCCC(COVID-19最前線救急救命同盟)サイト記載の免責条項
FLCCCのウェブサイト上の免責条項には、
記載されている情報はすべて「啓発目的」にかぎる等、
重要な事柄が書かれている。
そこで、論文等、FLCCCのウェブサイト上の情報をご紹介する前に、
この免責条項を以下に訳出する。
論文内容およびFLCCCのウェブサイト上からの引用を読み進める前に、
必ずお読みいただきたい。
この免責条項を読むと、
アメリカの窮状や、
イベルメクチンを求める多くの人々がいることが推察される。
「免責条項
©2020 FLCCC 警告:当ウェブサイトに含まれる又は記載されている情報は啓発のみを目的とする。当ウェブサイト上の情報は、有資格免許の医療専門家による診察、治療、あるいは助言の代替として提供するものでは一切ない。記載されている事実は、当ウェブサイト閲覧者(以下「閲覧者」という)に権利を主張できる力を与えるためのものであり、情報として提供されるにすぎず(FLCCCの治療法は医師の診察ではない)、いかなる場合であってもFLCCC のメンバー(たとえ医師ではあっても)又は当ウェブサイトに登場するいかなる人物についても診察行為を行っていると推測してはならず、当ウェブサイト記載の事実は啓発の目的にかぎるものである。閲覧者が着手する治療法はすべて、閲覧者の医師またはその他の有資格医療専門家と相談しなければならない。当ウェブサイト上に記載のすべての薬物等の適切な摂取、または閲覧者独自の症状にFLCCCの治療法を採用することについては、医療専門家の助言を求めなければならない。決して医師に相談することなく、閲覧者自身の薬物治療を中断し、または変更しないこと。救急の場合は、救急サービスに連絡すること。アメリカでは、それは「911」である。」
以上 FLCCC ウェブサイト⇒※10末尾「DISCLAIMER」訳出
FLCCCは救命救急医らで構成する団体
FLCCC(COVID-19最前線救急救命同盟)とは
FLCCC(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance:COVID-19最前線救急救命同盟)は、
アメリカの救命救急の現場で働く医師らで設立した団体で、
現在はノルウェーとイギリスからもメンバーが加わっている。
その略歴と目的について、
FLCCCのウェブサイトの
「About the FLCCC Alliance」※11冒頭部分(⇒)から、
以下訳出する。
「FLCCCは、第一線で働く救命救急の専門家らが、COVID-19のパンデミックがはじまった2020年3月に設立。現在、非営利団体として、新型コロナウイルスの感染伝播を防ぎ、感染患者の治療結果の向上を目的として、高度に有効な治療プロトコールをつくり上げることに尽力している。」
FLCCCのメンバー
以下、FLCCCウェブサイト「The FLCCC Physicians」⇒から引用する。
FLCCCウェブサイトには、各メンバーの詳細な履歴掲載もされている。
【創設メンバー/「MATH+」治療プロトコール開発者】
・Paul E. Marik, M.D., FCCM, FCCP
(医学博士、米国集中治療学専門医[FCCM]、米国胸部医師学会上級会員[FCCP])
- Endowed Professor of Medicine
- Chief, Div. of Pulmonary & Critical Care Medicine
- Eastern Virginia Medical School Norfolk, Virginia
・Pierre Kory, M.D., M.P.A.
(医学博士、公共経営修士[M.P.A])
- Pulmonary and Critical Care Specialist
- President, Frontline COVID-19 Critical Care Alliance (FLCCC Alliance)
・G. Umberto Meduri, M.D.
(医学博士)
- Professor of Medicine
University of Tennessee Health Science Center - Pulmonary, Critical Care & Sleep Medicine and Research Services
Memphis V.A. Medical Center
・Joseph Varon, M.D., FCCP, FCCM
(医学博士、米国集中治療学専門医[FCCM]、米国胸部医師学会上級会員[FCCP])
- Professor of Acute & Continuing Care
- Chief of Staff & Chief of Critical Care
- United Memorial Medical Center, Houston, Texas
・Jose Iglesias, D.O.
(オステオパシー医[D.O.])
- Assoc. Prof., Hackensack Meridian School of Medicine at Seton Hall
- Dept. of Nephrology & Critical Care / Community Medical Center
- Dept. of Nephrology, Jersey Shore University Medical Center
- Neptune, New Jersey
【創設メンバー】
・Keith Berkowitz, M.D., M.B.A.
(医学博士、公共経営修士[M.P.A])
- Medical Director, Center for Balanced Health
- Voluntary Attending Physician, Lenox Hill Hosp. New York, New York
・Howard Kornfeld, M.D.
(医学博士)
- Board Certified: Emergency Med., Pain Med., Addiction Med.
- President, Pharmacology Policy Institute
- Clinical Faculty, Pain Fellowship Program,
Univ. of California, San Francisco (UCSF) School of Medicine - Founder & Medical Director, Recovery Without Walls
Mill Valley, California
・Fred Wagshul, M.D.
(医学博士)
- Pulmonologist & Med. Dir., Lung Center of America
- Clinical Instructor, Wright State University School of Medicine,
- Dayton, Ohio
【臨床治療アドバイザー】
・Scott Mitchell, MRCS
(英国王立外科医師会会員)
- Associate Specialist
- Emergency Department
- Princess Elizabeth Hospital
- States of Guernsey
・Eivind H. Vinjevoll, M.D.
(医学博士)
- Senior Consultant Anesthesiologist
- Intensive Care, Emergency Medicine, Anesthesia
- Volda, Norway
引用:FLCCCウェブサイト「The FLCCC Physicians」⇒※12
FLCCCの活動について
FLCCCでは2020年10月からイベルメクチンを中核的治療薬として認識
FLCCCのウェブサイトのメニューバー「About us」冒頭に記載されている、
「About the FLCCC Alliance」※11⇒の4段落目で以下のように述べられている。
「FLCCCは、2020年10月、その少し前より急速に増えた、臨床試験によるエビデンスを精査した結果、イベルメクチンが臨床現場での使用にきわめて優れ(real-world)、抗ウイルス活性、抗炎症性が極めて強力であるとの認識を確実にした。」
また、本論文の序章(「Introduction」※8⇒5段落目)では以下のように述べられている。
「…FLCCCの専門家パネルでは、新たな医学的証拠の継続的精査に従事することが長引く中、最近のCOVID-19感染の急増の影響も考慮し、COVID-19の予防・治療の双方においてイベルメクチンを体系的に組み入れ、世界規模で採用されるべきであるということについて全員の意見が一致した。」
さらに、考察(「Discussion」※8⇒7段落目)では、
以下のように述べられている。
「まとめると、イベルメクチンの既存のエビデンスの集積に基づき、我々はイベルメクチンをCOVID-19の予防・治療双方への使用を推奨する。世界規模でのCOVID-19の急増下で、この安全で、安価で、効果的な介入は、感染率や罹患率、軽・中等症さらには重症なフェーズの致死率の劇的な減少につながるだろう。執筆者らは、一度イベルメクチンの使用を採用することにより生じるであろう多くの公衆衛生・社会的な良好な影響を励みにし、希望を持っている。」
なお、推奨の具体的根拠は、次項に記載する。
FLCCCの論文内容:イベルメクチンにおける世界各地での治験・研究結果ついて
繰り返しになるが、以下に再度引用する(訳文※9、原文※7)。
1)2012年以降、複数のin vitro研究により、イベルメクチンがインフルエンザ、ジカ熱、デング熱などを含む多くのウイルスの複製を阻害することが実証されている19~27)
2)イベルメクチンはSARS-CoV-2複製を阻害し、感染細胞培養では48時間でほぼ全てのウイルスが消滅する28)
3)イベルメクチンは、炎症の最も強力なメディエーターであるサイトカイン産生と核因子-κB(NF-κB)の転写の双方に深遠な阻害を示すというin vitroデータにより強力な抗炎症作用を持つことが示されている29-31)
4)イベルメクチンはSARS-CoV-2と類似のウイルスに感染したマウスに投与すると、ウイルス量を顕著に減少させ、臓器の損傷から保護する32)
5)イベルメクチンは、感染した患者に曝露された人のCOVID-19感染の伝播と発症を防ぐ33~35、52)
6)イベルメクチンは、症状発現後の早期の治療により軽症から中等症の患者の回復を早め悪化を防ぐ36~41、52)
7)イベルメクチンは、入院患者の回復を早めICU入室と死亡を回避する 41、42、52)
8)イベルメクチンはCOVID-19の重篤患者の死亡率を低下させる42、43)
9)イベルメクチンは、広範に使用されている地域において、致死率の著しい低下をもたらす44~46)
10)イベルメクチンの安全性、入手可能性、およびコストは、ほぼ40年間の使用における数十億回の投与で観察された副作用は軽度でまれなもののみであり、そのほぼゼロといえる薬剤相互作用を考えると、ほぼ比類のないものである47)
11)世界保健機関は、長い間、その「必須医薬品リスト」にイベルメクチンを含めてきている48)
FLCCCが独自に開発した入院治療プロトコール「MATH+プロトコール」について
FLCCCでは、イベルメクチンを使用した独自の入院治療プロトコールを開発している。
プロトコール開発の経緯などについては序論(「Introduction」)に記載されている。
以下に訳出および表を貼付する
(2021年1月12日付け更新分ではプロトコールの具体的処方の表が削除されていたため、
表については削除した。
なお、同日付で更新された入院治療プロトコールがFLCCCのウェブサイト上に掲載されている:
〔5か国語翻訳有・イタリア語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語〕
https://covid19criticalcare.com/math-hospital-treatment/pdf-translations/ ⇒)。
「2020年3月、Front Line COVID-19 Critical Care Alliance (略称:FLCCC)が、Paul E. Marik教授を主導に設立された。専門の救命救急医とソートリーダーによるこの団体では、矢継ぎ早に公表されるCOVID-19の基礎科学、橋渡しおよび臨床データの継続的な精査にただちにとりかかった。このことは、「MATH+」とよばれる入院患者への治療プロトコールの早期作成につながった。この治療プロトコールは、肺損傷の原因となるCOVID-19以外のさまざまな重症感染症の調査および治療双方における、この団体が有する専門的知識の蓄積にもとづくものであった。
「MATH+」治療プロトコールを支持する、科学的根拠および進展していく発表された臨床エビデンスの両方をさまざまな角度から精査した2本の原稿が、パンデミック中それぞれ別の時期に2回、主要な医学雑誌で発表された(Kory et al., 2020;Marik et al., 2020)。直近の論文では、「MATH+」治療プロトコールを体系的に採用した米国の2つの病院で算定されたCOVID-19患者の致死率は6.1%と報告された(Kory et al., 2020)。これは、23万人以上の患者が対象となった45の研究(未発表データ。希望者に提供可)の精査から算定された院内致死率23.0%と比べると、驚くべき減少である。現在の「MATH+」治療プロトコールを含む治療介入の検討には、以下の表1を参照されたい。」
「Introduction」(※8⇒)1~2段落目を訳出
※なお、本論文では、予防・外来患者の早期治療プロトコールとして「I-MASK+ Prophylaxis & Early Outpatient Treatment Protocol for COVID-19」および体重別イベルメクチン服用量の提案「Suggested Ivermectin Dose by Body Weight for Prophylaxis and Treatment of COVID-19」の表も考察(Discussion)部分に掲載されている。
関心のある方は原文⇒をご覧いただきたい。
(予防・外来患者の早期治療プロトコールについても更新されている。
2021年1月12日付けで更新された予防・外来患者の早期治療プロトコール〔FLCCCのウェブサイト:同5か国語翻訳有〕:https://covid19criticalcare.com/i-mask-prophylaxis-treatment-protocol/i-mask-protocol-translations/ ⇒)
この予防・外来患者の早期治療プロトコールについては、以下のように書かれている。
「執筆者らの意見として、これらデータの全体にもとづき、予防および早期治療の選択肢としてのイベルメクチンの使用について、アメリカ国立衛生研究所(NIH)はアメリカにおける医療供給者の使用を認めてA1レベル勧告を発令するべきである。こうした勧告が発令される場合を考え、先んじて「I-MASK+」と呼ばれるCOVID-19の予防・早期治療提案を作成した。このプロトコールは、高リスクの患者またはCOVID-19に暴露後の家族双方の予防や早期治療に、イベルメクチンを中核的治療として使用する前提で作成されている。」
論文の内容について
論文(2020年12月18日付け)の内容は、
・要旨
・序章
・SARS-CoV-2に対するイベルメクチン活性のinvitroおよび動物研究
・COVID-19伝播を防ぐイベルメクチンの能力についての曝露予防研究
・軽症の外来患者の治療におけるイベルメクチンの有効性に関する臨床試験
・疾患後期における有効性の裏付けとなるイベルメクチンの抗炎症特性
・入院患者におけるイベルメクチンの有効性の臨床試験
・COVID-19に対するイベルメクチンの臨床的根拠の要約
・イベルメクチンの広範な使用が人口死亡率に及ぼす影響を示す疫学データ
・COVID-19の後遺症におけるイベルメクチン
・イベルメクチンの歴史と安全性
・考察
となっている。
この論文研究に利益相反、資金提供は無い。
以上の中から一部内容を以下にご紹介する。
「要旨」から:COVID-19の予防・治療薬としてのイベルメクチンの研究試験に関する論文の査読状況について
論文の要旨部に、
イベルメクチンのCOVID-19への有効性が広く周知されることの障害として、
イベルメクチンをめぐる論文の査読状況について書かれており、
重要な点と思われたので以下に訳出した。
「1つの限界は、査読済み論文として公表されたのは比較対照試験の半分にすぎず、残りの比較対象試験の結果は、原稿が医学論文のプレプリントサーバにアップロードされているにすぎないことだ。このパンデミックの間に、プレプリント上の試験結果が治療行為にただちに影響を与えるということが常態になってきているが、イベルメクチンは治療をめぐる論争が多く、治療結果によって受け入れられるということを考慮して、FLCCCでは以下を主張する。それは、COVID-19の感染が多発し、住民に広くイベルメクチンが配布されている場合、国内外の主要医療機関は万難を排して必要な資源を投下し、イベルメクチンについて行われた研究を迅速に検証して、記録されている重要かつ良好な疫学的影響を認めなければならないということである。」
項目「Abstract」(※8⇒)を一部訳出
「序論」から:COVID-19の治療で試された様々な薬およびイベルメクチンの評価
「さらに事態を悪化させたのは、レムデシビル、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル/リトナビル、
インターフェロン、回復期血漿、トシリズマブ、およびモノクローナル抗体療法の使用が
死亡率低下に効果がないという、COVID-19の治療に効果があると考えられていた治療薬の
治験結果が、最近になって波のように押し寄せたことだった(Agarwal et al., 2020;Consortium, 2020;Hermine et al., 2020;Salvarani et al., 2020)。パンデミックになって1年、COVID-19の救命治療として唯一「実証」されたのは、中等症から重症患者へのコルチコステロイドの使用のみである (Horby et al., 2020)。
…幸運にも、抗ウイルス活性・抗炎症性で知られ、抗寄生虫薬として広く使用されているイベルメクチンが、COVID-19に対する治療にきわめて強力でさまざまなフェーズに有効であると証明されつつあるように思われる。」
項目「Introduction」(※8⇒)4~5段落目を一部訳出
COVID-19伝播を防ぐイベルメクチンの能力についての曝露予防研究
当項目(Exposure prophylaxis studies of ivermectin’s ability to prevent transmission of COVID-19 )に記載されている研究から一部を以下にご紹介する。
エジプト:医療従事者とその家族(ベンハ大学)、陽性患者とその家族(ザガジグ大学)を対象とするランダム化比較対照試験
「エジプトのベンハ大学のElgazzarと共同研究者による最大のRCTは、200人の医療従事者と世帯員のCOVID-19患者接触者をランダム化し、100人は個人用保護具(PPE)の着用に加えて、1日目に高用量0.4mg / kgを服用し7日目に繰り返し投与を受け、一方、対照群の100人の接触者はPPE着用のみであった52)。イベルメクチンで処理した場合に対照との間に、RT-PCR検査陽性となる接触者の大幅で統計的に有意な減少(2%対10%、p <.05)が認められた。
ザガジグ大学のShoumanらによってエジプトで実施された2番目に大きなRCTでは、PCR でSARS-CoV-2陽性患者の340人(治療228人、対照112人)の家族が含まれていた34)。イベルメクチン(約0.25mg / kg)は、検査陽性の日と72時間後の2回投与された。そして2週間のフォローアップの後に、イベルメクチンで治療された世帯員に大幅で統計的に有意なCOVID-19症状の減少(7.4%対58.4%、p <.001)が認められた。」
以上引用:
Pierre Kory(FLCCC:COVID-19 最前線救急救命連合)他、八木澤守正訳、
COVID-19 の予防と治療におけるイベルメクチンの使用を支持する新たな根拠の概観(訳文※9)
(Review of the Emerging Evidence Supporting the Use of Ivermectin in the Prophylaxis and Treatment of COVID-19:原文※7)
アルゼンチン:健康市民・医療従事者の予防におけるランダム化比較対照試験
「同様に、Carvalloらによりアルゼンチンで実施された229人の健康市民におけるRCTでは、
131人がランダム化されて0.2mgのイベルメクチンを1日5回、口内に滴下する処置を受けた。
28日後に、イベルメクチンの予防投与を受けた者は誰もSARS-COV-2検査陽性にならなかったが、
対照群の11.2%は陽性であった(p <.001)53)。」
以上引用:
Pierre Kory(FLCCC:COVID-19 最前線救急救命連合)他、八木澤守正訳、
COVID-19 の予防と治療におけるイベルメクチンの使用を支持する新たな根拠の概観(訳文※9)
(Review of the Emerging Evidence Supporting the Use of Ivermectin in the Prophylaxis and Treatment of COVID-19:原文※7)
(2020年12月18日付け更新の論文では、以上の対照試験に以下が追加:)
「1195人の医療従事者を含む同じグループで行われた、規模を大きく広げた追跡観察的比較試験(observational controlled trial)では、3カ月以上、毎週イベルメクチンの予防措置を受けた788名の医療従事者に感染は一切記録されなかった。一方で対照群の407名のうち58%がCOVID-19を発症した。この研究は、1週間に1回イベルメクチンを12mg服用することで、高リスクの医療従事者間での感染伝播を阻止できることを示している。」
「Exposure prophylaxis studies of ivermectin’s ability to prevent transmission ofCOVID-19」
※8⇒3段落目から一部訳出
インド:医療従事者の予防コンセンサスについて
「全インド医科学研究所は、その研究結果とエジプトの予防研究の両方に基づいて、医療従事者はイベルメクチン0.3mg / kgを72時間間隔で2回服用し、毎月繰り返すことを推奨するというコンセンサス声明を文中に含めている。」
以上引用:
Pierre Kory(FLCCC:COVID-19 最前線救急救命連合)他、八木澤守正訳、
COVID-19 の予防と治療におけるイベルメクチンの使用を支持する新たな根拠の概観(訳文※9)
(IReview of the Emerging Evidence Supporting the Use of Ivermectin in the Prophylaxis and Treatment of COVID-19:原文※7)
フランス:高齢者施設における居住者とスタッフ全員の疥癬治療と感染・致死率
「イベルメクチンのCOVID-19に対する防御的役割をさらに照らし出すデータは、フランスの高齢者施設における研究から報告されている。この施設では疥癬の蔓延に見舞われ、69人の居住者と52人のスタッフ全員がイベルメクチンの治療を受けていた(Behera et al., 2020)。この蔓延の時期、この施設では69人中7人の居住者がCOVID-19発症した(10.1%)。この7人のグループは平均年齢90歳で、酸素吸入が必要となった居住者は1人のみであり、死亡者は0だった。周辺施設の居住者から成る比較対照群のグループでは、居住者の22.6%が発症し、4.9%が死亡した。」
項目「Exposure prophylaxis studies of ivermectin’s ability to prevent transmission of COVID-19」※8⇒5段落目から一部訳出⇒
寄生虫感染症予防にイベルメクチンの大量投与プログラムを行っている国々の比較データ
「恐らくイベルメクチンの予防薬としての有効性を支持する最も決定的根拠となるのは、『International Journal of Anti-Microbial agents』に最近掲載された論文である。この論文では、研究者のグループが、WHOが運営する予防的化学療法データバンクの情報と、Worldometer(公的なデータアグリゲーションサイト。中でもジョン・ホプキンス大学がこのサイトを利用している)が算定した感染者数をあわせて利用して、データ分析を行った(Hellwig and Maia, 2020)。寄生虫感染症予防にイベルメクチンの大量投与プログラムを実行中の国々のデータをこのグループが比較したところ、最近になってプログラムを実行した国々では、COVID-19の感染者数が有意に低いことを発見し、その統計的有意性は高かった。」
項目「Exposure prophylaxis studies of ivermectin’s ability to prevent transmission of
COVID-19」※8⇒6段落目から一部訳出
ブラジル:各都市における大量のイベルメクチン配布政策
「イベルメクチンの感染率を低下させる役割を裏付けるさらなるデータが南米諸国で見出すことができるが、振り返ってみると、大規模な “自然実験” が行われているように見受けられる。たとえば、早ければ5月から、ペルー、ブラジル、パラグアイのさまざまな地域の保健省や政府機関が市民に対して“イベルメクチン配布” 政策を開始した。ブラジルにおける1例を挙げるならば、イタジャイ、マカパ、ナタールの各都市で大量のイベルメクチンが市民に配布されており、ナタールの場合、100万ドーズが配布された45)。」
表2. イベルメクチン配布プログラムのあるブラジルの都市での症例数の減少
(太字の都市はイベルメクチンが配布、下に挙げる隣接都市は配布されていない)
以上引用:
Pierre Kory(FLCCC:COVID-19 最前線救急救命連合)他、八木澤守正訳、
COVID-19 の予防と治療におけるイベルメクチンの使用を支持する新たな根拠の概観(訳文※9)
(Review of the Emerging Evidence Supporting the Use of Ivermectin in the Prophylaxis and Treatment of COVID-19:原文※7)
イベルメクチンの広範な使用が人口死亡率に及ぼす影響を示す疫学データ
1.ペルーのLima州と他8州の比較表
(8州[青系色]には60歳以上にイベルメクチンを大量配布し、Lima州[首都含む:赤色]には数カ月後にイベルメクチンを治療に投与)。
2.「パラグアイ:アルトパラナ(青線)におけるイベルメクチン配布後(太字青線)のCOVID-19の症例数と死亡数を他の行政区と比較」
(左が死亡数、右が感染者数。青線がパラグアイ。イベルメクチン配布後は太字の青線。)(※8⇒)
COVID-19の後遺症におけるイベルメクチン
注意:この論文は効果の確定を指摘していません。
さらなる試験の実施の必要性を指摘しています。
「新型コロナウイルスの後遺症については特定の治療法は一切確認されてこなかったが、ペルーの国立サン・マルコス大学のAguirre-Changほかによる最近の原稿では、COVID-19の後遺症を発症している患者のイベルメクチンによる治療経験が報告されている(Aguirre-Chang, 2020).。治療では、後遺症の症状がはじまって4~12週間の33人の患者に対し、イベルメクチンの服用量を段階的に引き上げて治療を行った。軽症の場合は2日間で0.2mg/kg、中等省の場合は2日間で0.4mg/kg、症状が長引く場合は服用期間を延長した。明らかになったのは、患者の87.9%で、2回の服用の後にすべての症状に改善が見られた。さらに7%では、追加の服用で症状の完治が報告された。この症例が示唆するのは、この悩ましい症状における試験の有効性を高めるためのランダム化比較対照試験を実施する必要性である。」
項目「Ivermectin in post-COVID-19 syndrome」※8⇒から一部訳出
イベルメクチンはどんな薬?~イベルメクチンについて
イベルメクチンとは
コトバンク「デジタル大辞泉の解説」から以下引用する(⇒)。
マクロライド系抗生物質のひとつ。
放線菌の一種が産生するエバーメクチンの分子構造の一部を変えて、効果を高めたもの。
家畜や犬猫に寄生する線虫の駆虫薬として用いられる。疥癬(かいせん)にも薬効を示す。
また、熱帯病のオンコセルカ症やリンパ系フィラリア症の治療・予防薬として広く用いられている。アイバメクチン。
【マクロライド】
12員環以上の大環状のラクトンを含む有機化合物の総称。(引用:コトバンク⇒)
【放線菌】細菌の一種(後述)。
【エバーメクチン】
エバーメクチンを生産する放線菌は1974年に大村智が静岡県伊東市川奈で採取した土壌から
発見され、米製薬会社との共同研究により1979年、抗生物質エバーメクチンが発見された。
イベルメクチンはこれを改良したもので、1981年に動物用医薬品として発売された。
(引用:コトバンク「デジタル大辞泉の解説」⇒)
イベルメクチンの歴史:FLCCC(COVID-19 最前線救急救命連合)論文から
先ほど触れた論文から以下に一部引用する。
「1975年に発見されたイベルメクチンは、流行地域である中央アフリカ、ラテンアメリカ、
インドおよび東南アジアにおけるオンコセルカ症(河川失明症)、リンパ性フィラリア症、
および疥癬の減少という世界的な影響により、2015年にノーベル医学賞が授与された74)。
イベルメクチンは、長期間にわたってWHOの “必須医薬品リスト” に収載されている。」
引用:「イベルメクチンの歴史と安全性」、
「COVID-19の予防・治療におけるイベルメクチンの有効性を示す新たな根拠の概観:Review of the Emerging Evidence Demonstrating the Efficacy of Ivermectin in the Prophylaxis and Treatment of COVID-19」(訳文※9)
2021年1月12日付け論文に「History of Ivermectin」の項が加筆されていたので、
以下訳出する。
「1975年、日本の北里研究所の大村智教授は、日本・本州の東南の海岸沿いにあるゴルフコース付近の土からStreptomyces属の変わった細菌を分離した。大村教授はウィリアム・キャンベル(William Campbell)博士と共に、この細菌の培養物が線虫(Heligmosomoides polygyrus)に感染したマウスを治癒させることを発見。キャンベル博士はこの細菌の培養物から活性化合物を分離し、マウスの線虫を駆除する力から「エバーメクチン(avermectins)」と名付け、この細菌をStreptomyces avermitilisと名付けた(Crump and Omura, 2011)。数十年にわたり世界中で調査が行われたが、日本のこの細菌は、エバーメクチンンを産生する細菌として、今までに発見された唯一のもので有り続けている。エバーメクチンンの誘導体であるイベルメクチンは、その後、革命的な大発見であったと判明した。元は獣医薬として導入され、その後まもなく人の健康に歴史的影響を与えた。1988年にオンコセルカ症(河川失明症)の治療に使用され始めてからというものの、世界中で数十億の人々の栄養状態や健康全般、生活状態を改善してきた。非常に効果的で薬効範囲が広く、安全で忍容性が良好、容易に投与できることを考慮すると、色々な意味で理想的な薬であることがわかった(Crump and Omura, 2011)。イベルメクチンは体内に侵入した線虫による様々な感染症の治療に使用されたが、最も知られたのは、2つの世界的な疾病における撲滅キャンペーンに欠かせない要としてであった。このキャンペーンでは、人の外観を損なう破滅的な病として最たるものである2つの病気を、世界からほぼ撲滅している。メルク社と北里研究所の前代未聞のパートナシップは、国際的な医療機関の支援と相まって、20世紀における最も偉大な医学的功績として多くの専門家に認識されている。例を挙げれば、メルク社はメクチザン無償供与プログラムの支援に、イベルメクチンを寄付するという決断をした。後にこのプログラムでは、最初の20年だけで5億7000万人を超える治療にイベルメクチンを提供した(Tambo et al.)。イベルメクチンは、オンコセルカ症やリンパ系フィラリア症を制御する効果がある。これらの病は、恵まれず貧困に苦しむ、熱帯地域中の数十億の人々の生活を破滅させるものである。これら病を制御するイベルメクチンの効果が、2015年に2人のイベルメクチンの発見者がノーベル医学賞を受賞した理由であり、イベルメクチンが世界保健機関(WHO)の「必須医薬品リスト」に掲載されている理由である。さらには、イベルメクチンはその他いくつかの人間の病気の克服を目指すべく使用されており、新たな薬効についても引き続き発見されているところである(Crump and Omura, 2011)。」
「History of Ivermectin」(「Introduction」の次の項⇒)。
イベルメクチンの特徴~抗寄生虫薬として過去40年間の使用実績・高い安全性・低コスト
この点についても、先の論文から一部引用する。
「多くの低中所得層における大規模で世界的な罹患率と死亡率の減少が達成されたことを超えて、
何十億回もの投与の経験に基づいて、高い安全性マージンと低い副作用発生率を確立する
知識ベースは比類ないものである。一例として、河川失明症と闘うために1987年に33カ国以上で
設立された “メクチザン(イベルメクチン)寄贈プログラム” では、最初の20年間だけで
5億7千万例以上の治療が行われた74)。多くの研究で、有害事象の発生率が低いことが
報告されている。大部分は軽度で一過性であり、主に寄生虫の死に対する身体の炎症反応に
起因しており、かゆみ、発疹、リンパ節の腫れ、関節痛、発熱、頭痛などである47)」
引用:「イベルメクチンの歴史と安全性」、
「COVID-19の予防・治療におけるイベルメクチンの有効性を示す新たな根拠の概観:Review of the Emerging Evidence Demonstrating the Efficacy of Ivermectin in the Prophylaxis and Treatment of COVID-19」(訳文※9)
重複するが、同論文の考察(「Discussion」※8⇒7段落目)の訳出を以下に再度記載する。
「まとめると、イベルメクチンの既存のエビデンスの集積に基づき、我々はイベルメクチンをCOVID-19の予防・治療双方への使用を推奨する。世界規模でのCOVID-19の急増下で、この安全で、安価で、効果的な介入は、感染率や罹患率、軽・中等症さらには重症なフェーズの致死率の劇的な減少につながるだろう。執筆者らは、一度イベルメクチンの使用を採用することにより生じるであろう、多くの公衆衛生・社会的な良好な影響を励みにし、また望みを抱いている。」
(前記:「FLCCCはCOVID-19の予防・治療薬としてイベルメクチンを予防・治療体系に組み入れ世界規模で採用することを推奨」内「FLCCCでは2020年10月からイベルメクチンを中核的治療薬として認識」)
なお、「1大村智先生へ緊急インタビューイベルメクチンはコロナ対策の救世主となるか」
NPO21世紀構想研究会ウェブサイト(※13⇒)の3ページには、
2020年5月7日テレビ朝日で報道されたテレビ画面の写真が掲載されており、
「約40年前に開発
寄生虫の神経に作用し
まひを起こして死滅させる」
「アフリカなどで寄生虫による感染症の撲滅に貢献」
「5億人に投与実績⇒安全性高」
などと書かれている。
COVID-19に対するイベルメクチンの作用について
以下、「北里大、新型コロナに対するイベルメクチンの治験の詳細が明らかに」日経バイオテク2020年9月18(⇒※14)から引用する。
イベルメクチンのSARS-CoV-2に対する作用機序について、花木センター長は、「イベルメクチンは、SARS-CoV-2のメインプロテアーゼに対する結合親和性が報告されている。メインプロテアーゼは、ウイルスのゲノムから翻訳された蛋白質を切断し、機能させる酵素だ。そのため、イベルメクチンがメインプロテアーゼを阻害することでウイルスの複製を抑制できると考えられる。また、イベルメクチンは、インポーチン(Importin)という宿主細胞内の蛋白質を阻害することも分かっている。インポーチンは、種々の蛋白質を核内に輸送する機能を持つ。そのため、新型コロナウイルスは、インポーチンを介して宿主細胞の核内に侵入して複製される。インポーチンにイベルメクチンが結合し、不活化することで、ウイルスの核内への侵入を阻害するのではないかと考えられている」
COVID-19治療薬としてのイベルメクチンの臨床治験・研究などの経過
この項の記載は、
ブログ管理者が確認した参考文献にもとづく限りのものである。
なお、先ほどご紹介したFLCCCの論文では、
2020年10月の少し前から臨床試験によるエビデンス(査読前論文と思われる)が
急増したと書かれている。
(前記「FLCCCはCOVID-19の予防・治療薬としてイベルメクチンを予防・治療体系に組み入れ世界規模で採用することを推奨」内、「FLCCCでは2020年10月からイベルメクチンを中核的治療薬として認識」参照)
海外
オーストラリア
モナシュ大学の研究グループによるサルへの研究。
試験管内のサルのじん臓由来の細胞内で増殖するコロナウイルスが、
イベルメクチンの投与によって48時間以内に増殖しなくなったというもの。
(参照:「1大村智先生へ緊急インタビューイベルメクチンはコロナ対策の救世主となるか」
NPO21世紀構想研究会ウェブサイト(※13⇒)
ユタ大学の研究チーム
2020年4月19日に、
COVID-19患者に対するイベルメクチンの有効性に関する研究結果を
査読前論文(プレプリント)として発表。
内容:
・2020年1月1日から3月31日までにCOVID-19と診断された患者(約1400例)の観察研究データを解析。
・データ解析の結果は、患者全体の死亡率はイベルメクチンの非投与群では8.5%であったのに対し、投与群では1.4%であり、死亡率が有意に低下(p<0.0001)
取り下げについて:
この論文については、
解析に用いた米Surgisphere社のデータに関して
第三者から信ぴょう性を疑う声が上がったことなど受け、
2020年6月8日までに取り下げられたと報道されている。
(参照:「北里大、新型コロナに対するイベルメクチンの治験の詳細が明らかに」
日経バイオテク2020.09.18(⇒※14)
また、米Surgisphere社がかかわった論文については、
同じく6月4日に抗マラリア薬の効果についての論文を著者らが撤回、
同じく4日に降圧薬の影響を調べた論文の撤回も発表されるということが起こっている。
(参照:「イベルメクチンのコロナ論文取り下げ 米大学など」
日本経済新聞2020年6月8日(⇒※15)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60089570Y0A600C2I00000
なお、信びょう性を疑う具体的な内容、および疑いを挟んだ第三者については
報道では明らかにされていないことを付記しておく。
査読前論文の詳細について:
以下を参照されたい。
・「北里大、新型コロナに対しイベルメクチンの医師主導治験を開始へ」
日経バイテク2020.05.12(⇒※16)
・「1大村智先生へ緊急インタビューイベルメクチンはコロナ対策の救世主となるか」(⇒※13)
※記事末尾関連ニュース参照:
【アメリカ国立衛生研究所の治療ガイドラインの改定(2021.1.14)について】
米国ブロワードヘルスメディカルセンターの研究
米ブロワードヘルスメディカルセンターの研究では、
イベルメクチンの投与により、
新型コロナ重症患者の致死率が80・7%から38・8%に改善。
(参照:「来年3月に臨床試験終了へ、抗寄生虫薬「イベルメクチン」はコロナに効くか」
ニュースイッチ2020年12月27日⇒※17)
世界29か国で研究がすすむ
新型コロナへの治療薬としては、
29か国で研究が続けられているという。
例:インド、ペルー、米国、オーストラリア、イタリア、
スペイン、タイ、エジプト、バングラデシュ、フランス、メキシコ、
ブラジル、アルゼンチンなど
(参照:
「来年3月に臨床試験終了へ、抗寄生虫薬「イベルメクチン」はコロナに効くか」
ニュースイッチ2020年12月27日⇒※17
「新型コロナウイルスに対するイベルメクチンの現状 世界的状況と北里大学の取組」
学校法人北里研究所12月17日付けプレスリリース資料⇒⇒※4)
デング熱の臨床治療として
タイでは、イベルメクチンをデング熱の臨床治療に使用。
抗ウイルス剤としてコロナウイルスの抑制にも効果を出すのではないかと
期待する報告があったという。
参照:「1大村智先生へ緊急インタビューイベルメクチンはコロナ対策の救世主となるか」
(⇒※13)
日本での報道など
2020年5月6日
西村経済再生担当相が、
新型コロナウイルス対策プロジェクトに取り組んでいる北里大学大村智記念研究所を視察。
(参照:「西村経済再生相 治療薬の研究大学を視察 」NHK2020年5月6日⇒※5)
2020年5月7日
テレビ朝日が報道。
「イベルメクチンの特徴~抗寄生虫薬として過去40年間の使用実績・高い安全性と安価」で触れた。
(参照:「1大村智先生へ緊急インタビューイベルメクチンはコロナ対策の救世主となるか」
⇒※13)
なお、西村経済相の視察前後には多くの報道があったものと推察されるが、
例としてテレビ朝日のものを記載する。
2020年9月17日
日経バイオテク2020.09.18報道:
「北里大、新型コロナに対するイベルメクチンの治験の詳細が明らかに」⇒※14
【記事内容】
北里大学病院(神奈川県相模原市)で、
軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を対象に、
抗寄生虫薬である「ストロメクトール」(イベルメクチン)の
医師主導治験(第2相臨床試験相当)を開始すると発表。
2021年3月(予定)
ニュースイッチ2020年12月27日報道:
「来年3月に臨床試験終了へ、抗寄生虫薬「イベルメクチン」はコロナに効くか」⇒※17
【記事内容】
抗寄生虫薬「イベルメクチン」について、新型コロナウイルス感染症の治療薬としての臨床試験を2021年3月にも終了し、製造元の米製薬大手MSDに試験結果を提供する予定。
イベルメクチンの元~土にすむ小さな「放線菌」の生産物
放線菌とは?
カビのように分岐した糸状の細胞や菌糸を生じる細菌。
複雑な形態分化と二次代謝産物の多様性に特徴づけられる。
引用・参照:
・コトバンク「デジタル大辞泉」の解説 ⇒
・放線菌、北里大学大村智記念研究所(研究部)・大学院感染制御科学府(教育部)ウェブサイト⇒
※18
細菌と、カビやウイルスとの違い
細菌(放線菌は細菌)は染色体DNAが細胞の中に裸で存在する、原核生物の仲間。
真菌(カビ、酵母、キノコの仲間)は、
染色体が膜に包まれた核の中に存在し、ヒトと同じ真核生物の仲間。
ウイルスは、
自己複製ができず代謝を宿主に依存する。
生物学では「生物と非生物の間に位置する」と考えられている。
ウイルスと細菌の大きさの違いについては、
●細菌はミクロの世界(100万分の1メートル)
●ウイルスはナノの世界(10億分の1メートル)
であるという。
引用・参照:
・「目で見る真菌症シリーズ2」
千葉大学真菌医学研究センターウェブサイト(写真掲載有り)⇒※19
・日本微生物生態学会ウェブサイト⇒※26
・秋田大学ウェブサイト⇒※27
放線菌は代表的な土壌細菌
放線菌は代表的な土壌細菌である。
肥沃な土壌1グラムに100万個、
あるいはそれ以上という膨大な数が生息しているという。
土壌放線菌の大部分がStreptmyces属と呼ばれる属に属している。
土壌放線菌の役割は、
共存する微生物と協力して有機物の分解をすることだという。
たとえば公園の落ち葉が積もった場所にも生息しており、
積もった山の下層に進むと出現し、
最下層では多く繁茂しているという。
土壌細菌の写真がこちらのウェブサイト(※16⇒)に掲載されている。
Streptmyces属の写真は上段である。
まるで種をつける時期のヨモギ、キュウリのつる、スギナの茎葉などのようで、
大変興味深い。
なお、冒頭の写真はブログ管理者が作業する家庭菜園で撮影した写真である。
落ち葉や枯草を山にしたところをかきわけた所を撮影したものだが、
地面に接した所では落ち葉や枯草が分解されて黒っぽい土になっている。
引用・参照:
・池田治生, 大村智、放線菌、化学と生物vol.40,No.10,694-700,2002 ⇒※20
・宮道 慎二、放線菌って,どんな生物?、生物工学第87巻6号、32-36、2009 ⇒※21
多くの人々を救った放線菌~抗生物質の約3分の2は放線菌生産物から(例:Streptmyces属の放線菌から結核の治療薬)
抗生物質の約3分の2は放線菌生産物からつくられる。
放線菌の中でもStreptmyces属の放線菌の中から最も多く見つかっているという。
たとえば、結核の治療に使われたストレプトマイシンも、
Streptmyces属の放線菌が生み出す物質からつくられた抗生物質であり、
多くの人々の命を救ってきた。
宮道 慎二、放線菌って,どんな生物?、生物工学第87巻6号、32-36、2009 ⇒※21
土に生息するStreptmyces属の放線菌の特徴
放線菌の文献に、
Streptmyces属の放線菌のゲノム解析が行われた結果について書かれていた。
専門的で理解できない部分も多かったが、
私は家庭菜園をしているので大変興味深く思われた。
素人なりに理解に努めたところ、
温度や水分などの変化が激しい土の中で進化してきたため、
変化に迅速に適応できるつくりになっているとの理解に至った。
小さな小さな放線菌に驚くべき力があることは不思議ではないように思われた。
この論文を以下に引用しておきたい。
「土壌中という生息環境は, 栄養源, 温度あるいは湿度などきわめて多様性に富む場所である.
このような環境に適応して生きていくには, 個々の状況に応答し,
それに即した代謝系あるいは透過系を即座に駆動できなければならない.
すなわち, 多様な環境下で生息する微生物は, 環境にすばやく適応するため,
より多くの制御系遺伝子および物質透過系を保持する必要性から,
これらのパラログファミリーに属する遺伝子の重複が,進化の過程で行なわれてきたのかもしれない.」
池田治生, 大村智、放線菌、化学と生物vol.40,No.10,698,2002⇒※20
ベトナムの土壌放線菌の研究と利用(参考:ベトナムの積極的な医療への取り組み)
日本とタイアップして行われた放線菌の研究
イベルメクチンの話から脱線するが、
以前このブログでベトナムのCOVID-19対策の成功と医療背景についての記事を書いた(後述)。
今回イベルメクチンの記事を作成するにあたって文献を読んでいたところ、
ベトナムが日本とタイアップして放線菌の研究をしていたことを知り、
大変興味深く思われた。
COVID-19対策にベトナムでも独自の創薬研究をしているのだろうか。
参考までに研究の様子を文献から以下に引用する。
なお、ベトナムはコロナ禍でも経済成長がつづいていることを付記しておきたい。
(「ベトナム、東南アジア成長率で一人勝ち 7~9月期コロナ早期抑制、中国から生産移管 GDPでマレーシア逆転も」日本経済新聞2020年11月18日⇒※22)。
「このテーマは,ベトナム国家大学ハノイ校と製品評価技術基盤機構(NITE)間で「ベトナム微生物の分類学的生態学的研究およびその利用に関する共同研究」として取り組まれた.ベトナムは熱帯/亜熱帯域に位置しており,南北に2000 kmの海岸線を有し,山岳地から低湿地まで変化に富んだ自然環境に恵まれている.本プロジェクトでは,この地に生息する多様な放線菌を分離した後に,生物多様性条約をクリアーして日本に移転し,国内の企業や研究機関で有用性を探索して生じた利益の一部を原産国ベトナムに還元する.さらに,微生物の分類学的生態学的研究を通して関連技術を相手国に移行することを目的としたものである.」
宮道 慎二、放線菌って,どんな生物?、生物工学第87巻6号、33、2009⇒※21
医療制度に多額の資金を投入するベトナムの感染症への取り組み
こちらも参考までに、先に触れたベトナムについて書いた当ブログ記事から、
ベトナムの医療制度や感染症への取り組みについて一部引用したい。
なお、この引用文は、
イギリスの研究データサイトOurWorldData掲載の以下の論文を翻訳したものである。
「Emerging COVID-19 success story: Vietnam’s commitment to containment(新型コロナウィルス(COVID-19)対応にあらわれた成功:封じ込めへのベトナムの尽力」
「はじめに
ベトナムでは2020年1月23日に新型コロナウィルスの初めてのケースが報告されたが、その後4か月以上に渡り、報告されたケースは300を若干超える程度で死亡例は0であった。この早期の成功はいくつかの重要な要素にもとづいており、その中には非常に発達した公衆衛生システムや強力な中央政府、さらに包括的な検査・追跡調査・隔離にもとづく積極的な封じ込め政策がある。…(以下略)
感染者の発見
ベトナムは検査に的を絞ったアプローチを採用し、地域内感染伝播がみられた地域において大規模な検査を行い、各陽性例について接触者追跡を3段階にわけて行った。
封じ込め
この感染例発見の一連のプロセスの結果、海外からの旅行者や検査で陽性と判定された人との濃厚接触者など数十万人が政府運営の隔離センターに収容された。それにより家庭内および地域レベル双方で感染が大幅に減少した。地域感染が明らかになったホットスポットはただちにロックダウンされ、政府は市民と頻繁に意思疎通を図り、市民に情報を伝え続けて公衆衛生対応に市民もかかわり続けるようにした。
ベトナムがそれだけ迅速に行動できた理由のひとつとして、ベトナムは2003年にSARSを、2004年から2010年の間には鳥インフルエンザの人への感染を経験したことがある。…(以下略)
国の概要
ベトナムは医療制度に多額の資金を投入してきており、1人あたりの公的医療費は2000年から2016年にかけて1年あたり平均で9.0%増加している。こうした資金投入によって健康指標は急速に改善し、成果を上げている。…(中略)
ベトナムはパンデミックを上手く制圧した過去がある。ベトナムは2003年にWHOがはじめてSARS制圧を認めた国だ。SARS流行の間にベトナムが先駆けて取り入れた介入※は新型コロナウィルスに関しても使われている。SARS制圧の過去とならび、流行への備えや対応措置に経験のあることが、ベトナムの人たちが政府の公衆衛生対応に従おうという気持ちを高めた可能性がある。事実、世論調査企業により5月後半に行われた調査では、ベトナムの62%の人々が、政府の対応レベルは「適正量」であったと考えており、調査が行われたその他45か国のどの国よりも評価が高かった。
(中略)
結論
ベトナムの新型コロナウィルス対応は、ある面において他国では再現できないかもしれない。過去の感染症の流行の経験が、ベトナム市民に新型コロナウィルスの拡大スピードを緩めるのに重要な一つひとつの行動をさせた。ベトナムは、国レベルから村のレベルまで上意下達の一党支配の国という特徴があるため、資源の結集や公衆衛生戦略の実施、規制を厳密に実施する中で一貫したメッセージを確実に発信するのにとりわけ適している。
だが、ベトナムから学べる多くの教訓は他の国々でも採用できる。例として、
- 公衆衛生基盤へ投資(例:危機管理センターや公衆衛生調査システム)すれば、ある国が公衆衛生の危機を上手くコントロールするのに幸先良いスタートがきれるようになる。ベトナムはSARSや鳥インフルエンザの経験から学んだ。他国も新型コロナウィルスから同様の教訓を学ぶことができる。
- 国境閉鎖から検査、ロックダウンにいたる早期対策で、手がつけられなくなる前に地域感染を抑制することができる。
- 徹底的な追跡調査で、特定地域の封じ込め対策が功を奏するのに役立つ。
- 症状のみに基づくよりも、ウィルスとの接触可能性に基づく隔離で、無症状や発症前の感染者からの伝播を減らすことができる。
- 明確なメッセージの発信が勝敗を決める。明確で一貫した、真剣な語りかけは危機を通じて重要である。
- 強力な「社会全体で」のアプローチをすることで、多様な分野の利害関係者を政策決定プロセスに巻き込み、適切な措置の実施に団結力をもって関わってもらうことができる。
以下略」
引用:「ベトナムのCOVID-19対応の成功(翻訳)~『早期検査・隔離』の徹底による対策とベトナムの伝統医学・西洋医学・中医学をいかした医療背景(記事)
イベルメクチンについてもっと報道してほしい~「報道の独立」をめぐる状況について
日本には「報道の自由」がないと判断したニューヨーク・タイムズ
イベルメクチンが海外で広く研究・使用されているのを知って、
「なぜもっと報道されないのだろう?」と非常に疑問に思った。
そして少し前に見た記事を思い出し、
そのことと関係があるのかもしれないと感じた。
イベルメクチンのことだけでなく、
現在の社会状況全般を考える際に、
知っておくべき重要なニュースと思われたのでここに付記したい。
ニューヨーク・タイムズの香港拠点が、東京ではなくソウルへ移転した「本当の理由」
2020年6月、中国で「国家安全維持法」が制定され、
香港での「報道の自由」が脅かされいるとの判断から、
ニューヨーク・タイムズは以下の対応を行ったという。
ハーバーオンライン2020.08.21記事⇒※23から一部引用する。
「米紙『ニューヨーク・タイムズ』(以下、NYT)は7月14日、来年までに、
デジタル・ニュース部門のアジアでのグローバル拠点を香港から大韓民国の首都ソウルに
移転する計画を進めると発表した。東京も移転先候補になったが、
「報道の自由」がないという理由でソウルになった」
(引用:同ハーバーオンライン記事)
「日本でNYTが「報道の独立性」でソウルが選ばれたことが報道されなかったのは、
『共同通信』と『時事通信』がともにその点を報じなかったことの影響も大きい。
米国など海外メディアが「日本には報道の自由が存在しない」と見ていることを、
日本の政府・民衆が知らないことは危険だ。」
(引用:同ハーバーオンライン記事)
記事には、2002年にEUが日本の記者クラブ全廃を日本政府に要求していたことなど、
記者クラブの問題や、記者達自身が記者クラブを是とする意識の問題などについても
取り上げている。
ご興味のある方はぜひ記事全文をご覧いただきたい。
「今」を思い浮かべた~北里柴三郎氏の業績と当時の社会事情
本記事を作成するにあたり、
北里研究所創始者の北里柴三郎氏の業績などについて、
大変興味深い記事を見つけた。
北里柴三郎と森鴎外とノーベル賞と ⇒※24
記事では北里氏の業績が当時の情勢を交えて書かれている。
詳しくは記事をご覧いただけたらと思う。
ここでは以下に要約してご紹介したい。
北里柴三郎は東京大学医学部卒業後、
内務省衛生局に入局。
当時パスツールと並んで医学会の巨匠だったドイツのコッホのもとに留学する。
そこで、世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功する。
破傷風菌の増え方から「酸素を嫌う」という仮説を立て、
「嫌気培養」という方法を考案して純粋培養を成功させた。
さらに破傷風の治療として「血清療法」という革新的な方法を開発
(それまで感染症には予防接種による「予防」しかできなかった)。
感染症に対してはパスツールによって確立された予防接種、
つまり「予防」方法しかなく「治療」ができなかったため、
「治療」できる血清療法は医療の革命だった。
人類を救う業績を成し遂げた有能な北里をめぐり、
世界中で争奪戦が繰り広げられたが、
科学後進国であった日本の科学発展・国民の健康増進のため、
破格の報酬や待遇を断って北里は日本に帰国する。
この記事では、その後、
・実利よりも面子を重んじる日本で北里氏がどのような待遇をうけたか。
・福沢諭吉らが北里のために設立した私立伝染病研究所が、
国に接収されて国立予防研究所になった経緯(国立予防研究所は、
後の東京大学医科学研究所。同研究所の職員の約半数は、
国立感染症研究所に移籍している)、
・日清・日露戦争で「脚気菌」の存在にこだわった人々のために約3万人の兵士が死亡
したことなどにも触れられている。
今を生きる私たちが過去から学べるように、
長く引き継ぐ過去からの宿題を今こそ解決できるようにと願わずにはいられない。
参考:北海道立衛生研究所感染症センター微生物部細菌科長 木村浩一氏、
北里柴三郎と森鴎外とノーベル賞と、北海道立衛生研究所ウェブサイト⇒※24
印象に残ったこと:イベルメクチンの作用範囲の広さ~漢方薬や竹酢を思い浮かべた
最後に自分の個人的な印象をひとつ述べておきたい。
「1大村智先生へ緊急インタビューイベルメクチンはコロナ対策の救世主となるか」⇒※13
の記事に大変興味深い質問があった。
それは、
寄生虫や線虫に効くイベルメクチンが、
なぜ極微小生物であるウイルスに作用して死滅させるのかということである。
この点について、
大村氏は非常に難しい課題になっていると答えており、
質問者はイベルメクチンは広範囲に作用する物質であり、
人類がこれまで出会ったことがないような化学物質と考えると述べている。
この部分を見て思い出したのは、
東洋医学の記事を作成した際に知った、
漢方薬や竹酢、民間薬がやはり広範囲に作用するということだ。
〔東洋医学(日本の伝統医学)とコロナウィルス(COVID-19):
新たな時代にむけた産業・経済のあり方への可能性 (記事)〕
たとえば、漢方薬の処方に以下のような例があるという。
・漢方薬の代表である大建中湯は約1800 年前は、
ある種の腹痛を主訴にする病態に使用する処方だったが、
大正から昭和初期に結核性腹膜炎に使用され,
現在では手術後の癒着性イレウスの予防にも応用されている
・同じく漢方薬の抑肝散は、
約500年前に子供の夜泣きの薬として作られたが、
現在は認知症の周辺症状に応用されている
(参考:引用:中外医学社ウェブサイト⇒※25)
イベルメクチンの元は土壌放線菌がうみだす生産物である。
漢方薬も、竹酢も、民間療法につかわれる他の薬草なども、
自然の産物である。
自然の産物が持つ複雑さが、
その作用機序の広さと関係しているのだろうかと興味深く思った。
まるで相手によって自分の出方を変えるような、
生きもののように作用しているようにも思えた。
自然のものにはまだ知られていない、
私たち人間を助けてくれるものがまだ多く隠されているに違いないと感じる。
これからの人間社会の方向性が、
自然を破壊するのではなく、
その恵みを受けつづけられる賢さを備えたものになるようにと切に願う。
おわりに
この記事を作成することで、国内外を問わず、
多くの医療従事者の方々が尽力されていることを感じた。
現場治療の寸暇を惜しんで論文を書き、
論文やプレプリントを見て治療を実践し、
あるいは、その論文やプレプリントを分析してまとめ、
有益な情報を発信している方々の姿が見えるようだった。
医療従事者の方々をはじめ、
命がけで日々の仕事に取り組んでくださっている方々がいる。
身にかかる火の粉をおそれず、
声を上げてくださっている方々がいる。
そして、それを支える周囲の方々がいる。
隣で誰かが泣いていても、
人は幸せになれるのだろうか。
隣で誰かが苦しんでいても、
人は豊かになれるのだろうか。
自分を大切に生きることが、
他の人たちの幸せにもつながるようにしたいと強く思う。
動かぬ山はどうしたら動くのか。
自分の生死に真剣に向き合い、
自分のいのちは、
自分の持ち時間は、
無限ではないと実感する人が増える今だからこそ、
できることがあると私は信じる。
参考文献
※1 「大村智特別栄誉教授、花木秀明大村智記念研究所教授、八木澤守正客員教授が西村康稔経済再生担当大臣を訪問し、イベルメクチンの世界的状況などについて情報交換をしました」、
学校法人北里研究所ウェブサイト
※2 「ペルーにおける大量配布の効果」、
学校法人北里研究所・北里大学大村智記念研究所の感染制御研究センター・感染創薬学講座ウェブサイト
https://kitasato-infection-control.info/swfu/d/ivermectin_20201218_4.pdf⇒
※3 学校法人北里研究所・北里大学大村智記念研究所の感染制御研究センター・感染創薬学講座ウェブサイト、
https://kitasato-infection-control.info/⇒
※4 「新型コロナウイルスに対するイベルメクチンの現状 世界的状況と北里大学の取組」、
学校法人北里研究所ウェブサイト⇒
https://www.kitasato.ac.jp/jp/albums/abm.php?f=abm00034087.pdf&n=%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E3%81%AE%E7%8F%BE%E7%8A%B6%E3%80%80%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%9A%84%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%81%A8%E5%8C%97%E9%87%8C%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%81%AE%E5%8F%96%E7%B5%84.pdf
※5 「西村経済再生相 治療薬の研究大学を視察」 、
NHKウェブサイト2020年5月6日⇒
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200506/k10012419201000.html
※6 「COVID-19対策北里プロジェクト」、
学校法人北里研究所ウェブサイト⇒
https://www.kitasato.ac.jp/jp/about/activities/covid-19.html
※7 Pierre Kory, MDほか10名、
「Review of the Emerging Evidence Demonstrating the Efficacy of Ivermectin in the Prophylaxis and Treatment of COVID-19」(2020年11月11日付け)、
学校法人北里研究所・北里大学大村智記念研究所の感染制御研究センター・感染創薬学講座ウェブサイト⇒
https://kitasato-infection-control.info/swfu/d/ivermectin_20111127_2.pdf
※8 Pierre Kory, MDほか10名、
「Review of the Emerging Evidence Demonstrating the Efficacy of Ivermectin in the Prophylaxis and Treatment of COVID-19」(2020年12月18日付け)、
FLCCC(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)ウェブサイト⇒
https://covid19criticalcare.com/wp-content/uploads/2020/11/FLCCC-Ivermectin-in-the-prophylaxis-and-treatment-of-COVID-19.pdf
※9 Pierre Kory, MDほか10名、八木澤守正訳、
「COVID-19の予防・治療におけるイベルメクチンの有効性を示す新たな根拠の概観(Review of the Emerging Evidence Demonstrating the Efficacy of Ivermectin in the Prophylaxis and Treatment of COVID-19)」(2020年11月11日付け論文訳)、
学校法人北里研究所・北里大学大村智記念研究所の感染制御研究センター・感染創薬学講座ウェブサイト⇒
https://kitasato-infection-control.info/swfu/d/ivermectin_20111127.pdf
※10 FLCCC(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)ウェブサイト⇒
https://covid19criticalcare.com/
※11 「About the FLCCC Alliance」、
FLCCC(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)ウェブサイト⇒
https://covid19criticalcare.com/about/
※12 「The FLCCC Physicians」、
FLCCC(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)ウェブサイト⇒
https://covid19criticalcare.com/about/the-flccc-physicians/
※13 「1大村智先生へ緊急インタビューイベルメクチンはコロナ対策の救世主となるか」、
NPO21世紀構想研究会ウェブサイト⇒
https://westisle.typepad.jp/files/%E5%A4%A7%E6%9D%91%E5%85%88%E7%94%9F%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC-4.pdf
※14 「北里大、新型コロナに対するイベルメクチンの治験の詳細が明らかに」、
日経バイオテク2020年9月18⇒
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/09/17/07408/
※15 「イベルメクチンのコロナ論文取り下げ 米大学など」、
日本経済新聞2020年6月8日⇒⇒
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60089570Y0A600C2I00000
※16 「北里大、新型コロナに対しイベルメクチンの医師主導治験を開始へ」、
日経バイテク2020.05.12⇒
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/05/11/06909/
※17 「来年3月に臨床試験終了へ、抗寄生虫薬「イベルメクチン」はコロナに効くか」、
ニュースイッチ2020年12月27日⇒
※18 放線菌、
北里大学大村智記念研究所(研究部)・大学院感染制御科学府(教育部)ウェブサイト⇒
https://www.kitasato-u.ac.jp/lisci/uniq/labo/MicrobialFunctions/actinomycete.html
※19 目で見る真菌症シリーズ2、
千葉大学真菌医学研究センターウェブサイト⇒
http://www.pf.chiba-u.ac.jp/medemiru/me02.html
※20 池田治生, 大村智、
「放線菌」、
化学と生物vol.40,No.10,694-700,2002⇒
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/40/10/40_10_694/_pdf
※21 宮道 慎二、
「放線菌って,どんな生物?」、
生物工学第87巻6号、32-36、2009 ⇒
https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9001/9001_yomoyama-2.pdf
※22 「ベトナム、東南アジア成長率で一人勝ち 7~9月期コロナ早期抑制、中国から生産移管 GDPでマレーシア逆転も」、
日本経済新聞2020年11月18日⇒
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66364710Y0A111C2FF1000
※23 「ニューヨーク・タイムズの香港拠点が、東京ではなくソウルへ移転した『本当の理由』」、
ハーバーオンライン2020.08.21⇒
https://hbol.jp/226189/5
※24 北海道立衛生研究所感染症センター微生物部細菌科長 木村浩一氏、
「北里柴三郎と森鴎外とノーベル賞と」、
北海道立衛生研究所 ⇒
https://www.iph.pref.hokkaido.jp/charivari/2007_01/2007_01.htm
※25 中外医学社ウェブサイト⇒
http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse1487.pdf
※26 日本微生物生態学会ウェブサイト⇒
http://www.microbial-ecology.jp/or/microbial.html
※27 秋田大学ウェブサイト⇒
http://www.med.akita-u.ac.jp/~doubutu/kansensho/virus17/virus2-2.html
本記事作成にあたっては、学校法人北里研究所及び、
学校法人北里研究所・北里大学大村智記念研究所・感染制御研究センター・感染創薬学講座ほか、
多くの方々・諸団体の記事を参考にさせていただきました。
ここに深くお礼を申し上げます。
以上
(2021.1.12投稿、2021.1.14、2021,1.28一部更新:「畑じかん」ブログ管理者)
【関連ニュース】
◎2021年1月14日、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の治療ガイドラインが改訂:
イベルメクチンの推奨レベルを「推奨しない」からモノクローナル抗体や回復期患者からの血清療法と同レベルに改定。
https://covid19criticalcare.com/wp-content/uploads/2021/01/FLCCC-PressRelease-NIH-Ivermectin-in-C19-Recommendation-Change-Jan15.2021-final.pdf ⇒
◎推奨レベルについてNIHの見解と、FLCCCのコメント:
https://covid19criticalcare.com/wp-content/uploads/2021/01/FLCCC-Alliance-Response-to-the-NIH-Guideline-Committee-Recommendation-on-Ivermectin-use-in-COVID19-2021-01-18.pdf ⇒
【日本の報道の状況について】
マスメディアの問題点、どうすれば日本に報道の自由が広まるのか等を論じている、非常に有益と思われる動画(独立系メディアIWJによる記事・動画 一部無料で視聴可):
◎「日本人には革命の歴史がないから民主主義の大切さがわからないのでは」 〜前ニューヨークタイムズ東京支局長らが日本の言論の自由の「惨状」を痛烈批判! 2015.10.9⇒
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/269678
◎「咽頭がん手術で声帯を失う前にIWJで日本の記者クラブ問題を話したい!」岩上安身によるインタビュー 第989回 ゲストジャーナリスト浅野健一氏 2020.3.27 ⇒
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/470970
【付記】
・漢方薬について
COVID-19の予防・治療における漢方薬の有効性を詳説した論文は以下:
◎COVID-19感染症に対する漢方治療の考え方(改訂第2版)」
小川恵子(金沢大学附属病院漢方医学科):日本感染症学会(2020.4.21)
◎「【緊急寄稿】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する漢方の役割」
渡辺賢治(横浜薬科大学特別招聘教授)ほか 日本医事新報社 2020.4.18
・梅肉エキスについて
なお、COVID-19の予防・治療効果は定かではないが、
故元海軍衛生大尉築田多吉氏が執筆した、
大正14年に初版発行「「家庭に於ける実際的看護の秘訣」三樹園社
(現代語版:筑田美恵子編著2007)
に以下の記載がある。
「梅肉のエキスから強力な抗菌物発見(ペニシリン顔負けとして昭和24年11月「人間医学」発表)
弘前大学医学部佐藤興氏が同大学細菌学教室山本博士の指導の下、梅肉のエキスの研究を3年にわたり続け、ついに純粋に近い抗菌性物質の摘出に成功した。これをチフス菌、赤痢菌、ブドウ状球菌、大腸菌などに使用した結果、赤痢菌は6グラム、その他の菌は9グラムで死滅すること、動物実験で注射しても毒性はないことが分かった。発見者の佐藤氏は来る23日、盛岡の岩手医大で開かれる第3回細菌学会東北支部会で研究の結果を正式に発表する。
(同大学細菌学教室)山本博士談 …今度の発見はペニシリンその他の抗菌性薬剤のように
菌の発育を防ぐのとは異なって菌の発育を阻止する以上に菌其のものを殺すと言ふ強力の点が
注目される。」
(現代語版:筑田美恵子編著948ページ)
関連記事:
■翻訳記事(イベルメクチンについて):インド弁護士会がWHO主任科学研究員対して送付した法的通知書(記事)
■東洋医学(日本の伝統医学)とコロナウィルス(COVID-19):新たな時代にむけた産業・経済のあり方への可能性(記事⇒)
■ベトナムのCOVID-19対応の成功(翻訳)~「早期検査・隔離」の徹底による対策と
ベトナムの伝統医学・西洋医学・中医学をいかした医療背景(記事⇒)
■自分を偽らずに仕事をする~Our World in Data の記事を訳しながら考えたこと:翻訳含む(PCR検査について4か国のアプローチ比較)(記事⇒)
※翻訳記事:「Testing early, testing late: four countries’ approaches to COVID-19 testing compared」(早期検査、時機に遅れた検査:COVID-19検査に対する4か国のアプローチの比較)
■「幸せの自転車」パリでは自転車がニューノーマルに~WHOの技術的ガイダンス(徒歩と自転車の優先)を受け、世界各地につくられる自転車用レーン【リサージェンス翻訳記事紹介】(記事)
■結核の克服を目指した医師・額田晋著「自然・生命・人間」
~どんなときでも希望と勇気を~記事⇒
■新型コロナウィルス情報:どう生きるかを自分で考え、自分の思いを自分で伝えられるように
(記事⇒)
■『竹』これからの新しい時代への可能性
~支柱から竹製品・災害対策・バイオ炭・健康・教育など