雨の合間に畑を見に行ってきました~野菜の様子と草刈りをしながら思ったこと(鈴木宣弘氏「日本農業をめぐる疑問に答える簡潔Q&A」JA.com記事引用あり)

夏野菜

(雨がたくさん降って、シソが海のようになりました)


私の住む地域でもこのところ雨が続いています。
外に出るのが危険なほどの暑さだったのに、
一転して雨、雨、雨です。

朝はもう秋?というような気温で、
野菜たちの様子が心配でした。


数日前、雨の合間に野菜の様子を見に行ってくることができました。


今日はその様子をお伝えします。
よかったらお付き合いくださいね♪

畑の様子

トマト~やっぱり雨はしんどかったか…


ミニトマト。


一番大きく育った株が湿害でやられてしまいました。
たくさん実をつけてくれていたのですが、
先端の花芽が一斉にしおれてしまっていました。

幅170センチメートルほどにも育っていたので、
秋までたくさん収穫が楽しめるかと思っていたのに残念!

小さな株はまだ残っているので、
何とかもちこたえてほしいです。




こちらはサンマルツァーノ。


今年の育ちはあまりよくはなかったのですが、
実をつけはじめてくれています。

雨で実が裂果してしまいましたが、
脇芽が元気に伸びてきてもいます。



こちらはアロイトマト。

苗の植えつけが遅かったのにくわえて、
今年は梅雨入りが例年よりかなり早く、
生育がゆっくりでした。

それでもたくさん着果してくれて、
ようやく赤くなりはじめたと思ったら雨続きです。

裂果してしまいました。

青い実も割れが入っています。

トマトは雨に弱いです…。
雨の時はトマトの株に傘をさして育てていらっしゃる方もいる位です。


でも、きれいな実をつけた株もありました。
ひょっとして雨に強いのかも???


小さな実に割れがあるものもありましたが、
全体的に実がきれいなので、
この株から種採りしても良いのかもしれません。

四葉きゅうり

長い梅雨、猛暑と頑張ってきたキュウリですが、
ここにきて疲れが出ています。



でも、新しい小づるも出てきていました。

もう少し収穫できるかな?



雨が嬉しそうだった野菜たち

ナスは水が好きというだけあって、
むしろ猛暑でげんなりしていたのが回復してきた様子でした。



こちらはエンサイ。

昨年同様、オクラと一緒に育ててみました。

長梅雨&猛暑で生育不良のオクラ、
隣のエンサイも水不足で大変そうでしたが、
この雨は嬉しいようです。

そしてエンサイは確かにオクラと相性が良さそうです。
一本で育てるよりもやはり元気そうです。


こんな記事も書いています。
よかったらお読みくださいね♪
今年の夏(2020年)のエンサイ(空芯菜)とオクラのコンパニオンプランツ(になっちゃった)~エンサイの様子【無農薬・無肥料・草生栽培で家庭菜園の野菜づくり】




エビス草です。

雨が降る前は、
水不足で傘をたたんだような姿になっていましたが、
雨ですっかり復活です。

昨年からつくりはじめたエビス草。
できた豆を麦茶などと一緒に煮出してお茶にしています。
今年はお茶がたくさんつくれるかな。


こんな記事も書いています♪
●えびす草の栽培&お茶にして飲んでみました~害虫対策・窒素固定・土壌改良効果もあるエビス草【無農薬・無肥料・草生栽培で家庭菜園の野菜づくり】




ミョウガ。


花が咲いていました。
もともとちょっと陰になったような場所を好むようです。
雨でも元気そうな感じです。





なた豆です。

これはどうやら雨に強そうです。
今年の梅雨明けの時も生育旺盛でした。
昨年の長梅雨の時も元気そうでした。

一方で、乾燥にはかなり弱そう。
猛暑続きですっかり花が咲かなくなっていました。

株自体が弱々しくなっていたので大丈夫かと思いましたが、
雨で復活です。
花芽をたくさんつけはじめました。

花をいつ咲かせてくれるかな。
今後の様子に注目です。


サトイモです。


水の中でも育つというサトイモですが、
猛暑続きで落ちてしまった葉もありました。

でも元気を取り戻しているようです。




サツマイモも元気になりました。

ハートの新葉、
いつ見ても癒されます(^O^)




ちょっと言いたいことあるなあ

今年は本当に雨が多く、
草刈り機で何度草をかけたことか。

草刈り機をかけながらいろいろなことが頭に浮かんできました。
今日はちょっとそれを書いてみます。


と思ったら、言いたいことが長くなったので前置きしてみました

今年の夏は本当に雨が多い。

例年8月も中旬になれば、
土はカラカラ、
夏の太陽に草もすっかり弱って、
といった具合なのですが、
今年は降るわ降るわ、
草は伸びるわ伸びるわ、
という具合です。

この記事を書き終わる前、
草刈りができそうな天気だったので、
また草刈りに畑に行ってきました。



今夏は草刈りをしながらぼんやりといろいろ思うことがありました。

以下は、農業経験なし、
家庭菜園を好き勝手に楽しんでいる私が、
これまた勝手につぶやく独り言。

ちょっと長く、
的外れなことも多いかもしれませんが、
お時間いただけそうならお付き合いくださいね♪

ぶつくさ独り言~

高温続きの後の大雨で、
作物の収穫にかなりのダメージが出ているところがあると聞いています。


気候変動対策に、
二酸化炭素排出量の取引をする制度があると聞きました。

けれども気候の変動は世界中で問題になっていること。
数字の計算だけでなく、
どこか特定の場所だけではなく、
各地で身体をつかって物理的にさまざまな対策を十分にとらなければ、
変化は起こせないのではないかと思います。



この気候は農家の方たちにとっても苦労が多いと思います。
家庭菜園をしているにすぎない私でさえも、
年々栽培が難しい気候になっていくようで、
これは大変なことになってきたと真面目に思います。

ただでさえ、
農業をする人が減っているのに、
大きな影響が出るのではと思ってしまいます。



新規就農者の数は2020年に3.8%減ったそうです。

20年新規就農者3・8%減 継承されず離農響く / 日本農業新聞 (agrinews.co.jp)

国で有機農業を支援するという話がもちあがっているようですが、
本当に農業を支援したいなら、
農家が安心して農業ができる環境づくりが必要でしょうし、
農業で先々生活を立てられるよう、
他の産業全体の中での農業の位置づけを見直さなければならないのではないでしょうか。


新規就農者の生計状況:おおむね農業で生計が成り立っている割合
・就農1、2年目:14.6%
・就農5年目:48.1%

参照:『農地付き空き家』の手引き、平成30年3月国土交通省 土地・建設産業局 住宅局作成、14ペー



また、有機農業化には、
有機農業の中身が違うものになってしまわないかという懸念があると知ってびっくりしました。



今までの農薬の代替農薬として、
害虫の遺伝子の働きを止めてしまうRNA農薬というものがあり、
これが有機農業に使用されることが許可される可能性もあるのだとか。

有機栽培面積100万haの衝撃~期待と懸念【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】(JA.com:2021年3月18日



それとは別に、このようなニュースも見ました。

RCEPで誰が得て、誰が失うか【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】
(JA.com:2021年4月15日)


この記事によれば、

「RCEPによる農業生産の減少額は、5600億円強、
…かつ、RCEPでは、野菜・果樹の損失が860億円と、農業部門内で最も大きく、
TPP11の250億円の損失の3.5倍にもなると見込まれている」


なのだとか。

また、

「日本は農業分野で大きな被害が出る半面、
突出して利益が増えると見込まれるのが、自動車分野」

「…日本の貿易自由化の基本的目標が
「農業を犠牲にして自動車が利益を得る構造」と
筆者も指摘してきたことを「見える化」した形」


だとか。




そもそも、農業をやる人は減っています。
農業では食べていかれないと思っている人たちはたくさんいます。
その証拠に後継者が育っていません。

家庭菜園をしている私でさえも、
農業をおやりになっていた地域の方から、
「金にならんだろう。」
というようなことを言われたことがあります。



この職業じゃ生活できないと思ったら、
やりたいと思う人はいませんよね。



しかも、
いまやクリックだけで億り人になれてしまう時代と聞きますから、
労働の多い農業に心惹かれる若者はますます減りそうな気がします。




農村地域に住んでみて、
農業の担い手がいないという現実を目に見える変化として感じていますが、
このところ変化のスピードが加速しているように思います。

行動範囲の狭い私の知っている限りでも、

耕作されなくなった田畑、
太陽光パネルが置かれるようになった元田んぼ、
スマート化できるようにでしょうか、大規模な工事をはじめた/終えた場所、

見かけます。




田んぼや畑で人を見かけることが減っています。

さらにコロナで拍車がかかっているように感じます。

「あのおじいちゃんが田んぼに来なくなったら、
ほとんど人見かけないかも。」

真面目にこんな風に思うことがあります。




有機農業どころの話ではありません。
田んぼや畑で人を見かけることがどんどん減っているんです。




スマート農業なのですが、
農業経験のないまったくの素人ガーデナー、
ぼんやりと思いました。

スマート農業を進めるなら、
農業人材が増えたらまた小区画に戻せすこともできる工夫をしてはどうか。

日本の伝承農業の知恵や日本発信の自然農的栽培を取り入れた実験的農場の取り組みや、
環境に良い栽培方法で農業に従事する人材育成、
時間のかかる地域に合わせた固定種の改良なども、
同時並行で行ったらどうか。

在来動植物を維持保全したり、家畜と作物栽培を一体化したりする農業は、
気候緩和や気候変動対策にも有効だといいますから、
そうした取り組みの場を作っても良いのではないでしょうか。

何もないところからはじめる新規就農者にとって、
こうした取り組みは支援につながると思います。




自分の住んでいる地域では、
数十年前に圃場整備事業が行われたそうですが、
それによって随分と地域の様子が変わったようです。

圃場整備事業では、
水田区画形状の大型化や、
道路及び用排水等の整備が行われ、
足場の悪い、不便な土地はとても使いやすくなったといいます。

一方で、

「農家の兼業化と農業就業者の離農が急速 に進行」

(大橋欣二「耕地 の区画整理(土地改良事業)の 展 開 と展望」Ⅳ.2  )

したと言います。


スマート農業、調べてみました。

「ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、省力化・精密化や高品質生産を実現する等を推進している新たな農業」
(農林水産省ウェブサイト



さらなる機械化。
スマート農業をきっかけに大規模集約化する場所もあるかと思います。

安易に比較すべきではありませんが、
さらに離農する人が増える可能性もあるのではと一抹の不安を感じました。

スマート化を進める前に、
圃場整備が農業や地域にどのような影響をもたらしたのか、
良かった点、悪かった点、
今後に生かせる十分な検証はされたのでしょうか。



スマート化のために大規模区画工事をしているであろうところは、
機械が通れるように大きな通路をつくってコンクリートで一部固めたり、
砂利を敷いたり、
何というか、
一種の工場化のように見えました。


正直、あまり楽しそうに見えないなあ…。



「楽しい」なんて必要ないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
いろいろな厳しい状況があっても、
「楽しい」と感じられるところがあるから続けれられる、
やりたいと思うような気がしています。

馬鹿にできない、大切な気持ちのように思います。



また、広大な土地での栽培には農薬がどうしても必要に思えます。

やはり、作業者の方や周辺の住民の方、
身体への影響が懸念されます。

地域の生態系への影響、
ひいては気候への影響も懸念されます。





以前新規就農の方からこのような話を聞きました。

「今から就農するのは、
親を継ぐなどでなければ、
ほとんどが無農薬・無肥料か、それに近い栽培をやりたい人たちですよ」

この気候の変動が激しい中、
農業で食べていくのが難しい中、
それでも農業をやりたいという人たちには、
何か熱い思いがあってのことと思います。

農業従事者が減少する中で、
農地の大規模集約化はやむを得ないところもあると思います。

けれども、
スマート化だけでなく、
こうした熱い思いを持つ人たちを応援するような仕組みをつくって、
やりたいと思う人が諦めることなく農業を続けられるようにすれば、
中長期的には農業従事者が増える方向に向かいやすいのではと思います。





最後に、いつまでも有効な対策がとられないコロナ。


農村地帯は緑が多くて美しいと思われるかもしれませんが、
その裏ではその景観の維持(主に除草作業)に多大な労力が払われています。



各集落等で、
知恵と、労力と、資金を出し合って、
景観の維持に努めていらっしゃいます。

そして、
除草作業には高齢者の方々も多く参加され、
力を尽くしてくださっています。

私の地域では、
主力はむしろ高齢者の方々かもしれません。



田畑の畔(縁取るようにしてある小道)や、
川の周辺、共用の場など、
雨の時期となれば2週間も草刈りをしなければ
草ぼうぼうになってきます。

交通の不便や治安上の問題、
蛇や獣害のもとにもなります。



雨が多い夏はなおさら大変です。

無農薬・無肥料で家庭菜園なんて書いている私ですから
農薬はやはり使ってほしくないと思いますが、
少ない人数で、農薬も使わずどうやってこの広大な土地の草を抑えるんだろうと思います。

農薬を使うことを非難できません。
むしろ、人目につかない目立たない労働をする人たちに敬服します。

ただ、農薬をつかっても、
人手がまったく不要にはなりません。

そして、農薬を使って、
自分の身体を壊してしまう人も出るでしょう。


ただでさえ変動の激しいこの気候。
非常にハードなこの労働。

高齢者の方々はコロナで重症化しやすいというそうです。
身体を酷使しない方がコロナ対策には良いのでしょうが、
一体どうしたらよいのでしょうか。





人を大切にしなかったら、
担ってくれる人がいなくなります。
出来る人がいなくなります。

農業どころか、
農村維持自体がますます難しくなります。



人口が急速に減っている農村は少なくないと思います。

有機農業どころではないのではないでしょうか。




上辺だけ繕えばいい時代は、
お金だけまけばいい時代は、
もう終わっています。

本当に人がいなくなります。



大規模にスマート化すれば、
最終的に人はいらなくなるのかもしれない。

でもそんな農村は寂しすぎます。
それで良いのでしょうか。



人を本当の意味で大事にしてください。
大事にする対策をとってください。








長くなりました。お読みくださった皆様、
ありがとうございました!


日本農業をめぐる疑問に答える簡潔Q&A【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】 から引用

日本農業をめぐる疑問に答える簡潔Q&A【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】
(JA.com:2021年12月18日

Q1.日本農業の後継者不足の実態は? 
…優良な集落営農組織ができていても、「総高齢化」

Q2.その原因は何でしょうか?
農家の時給(1時間当たり所得)は平均で961円です。これでは後継者の確保は困難と言わざるを得ません。

Q3. なぜ、そんなに所得が低いのでしょうか?

(1)自動車などの輸出のために農と食を差し出す貿易自由化と規制改革(セーフティネットの縮小)が進められた結果です。貿易自由化の進展と食料自給率の低下には明瞭な関係があります。…

(2)農業を生贄にしやすくするために、農業は過保護だというウソがメディアを通じて国民に刷り込まれました。…

(3)日本では小売の取引交渉力が強く、農産物価格は農家の所得を十分に満たせない水準に買いたたかれてきました。…

(4)大規模化する企業的経営を「担い手」と位置付け、支援を集中する政策を強化したため、それ以外の廃業が増え、全体の平均規模は拡大しても、やめた農家の減産をカバーしきれず、生産の減少と地域の限界集落化が止まらない段階に入っています。

Q4. このまま進むとどのような問題がありますか?

(1)国民への食料供給が確保できなくなります。今後頻発しかねない食料危機時の各国の輸出規制に対応できません。

(2)輸入に対して農薬・添加物などの安全基準の緩い日本市場が健康リスクの高い食品の標的となり、日本人の健康が蝕まれます。つまり、量的にも質的にも食料の安全保障が崩壊していきます。

(3)地域コミュニティが崩壊し、「3密」の都市化が進み、コロナなどの感染症がさらに広がりやすくなります。

Q5. このような問題を解決するための方法として、どのようなことが考えられますか?

(1)日本の消費者は命の源の食料を、その源の種も含めて、量的にも質的にも確保するために、安全・安心な食料を提供してくれる国内の生産者との連携を強化すべきです。地域の多様な種を守り、活用し、循環させ、食文化の維持と食料の安全保障につなげるために、ジーンバンク、参加型認証システム、有機給食などの種の保存・利用活動を強化しましょう。それらを支援し、育種家・種採り農家・栽培農家・消費者が共に繁栄できる公共的支援の枠組みが必要です。

(2)多様な農業経営が共存して地域が発展できるように、欧米のように、再生産に必要な価格・所得水準が確保できるような差額補填を充実し、支持価格による政府の買入れの仕組みも復活させましょう。「日本=過保護で衰退、欧米=競争で発展」は逆なのです。命、環境、地域、国土・国境を守る産業は、安全保障の要であり、国民全体で支えるのが世界の常識です。それを非常識とする日本が非常識だということに気付きましょう。

今日の収穫

トマトは結構割れてしまっているのですが、
雨のおかげで葉物がたくさんとれました(*^▽^*)