わさびなです。
今回は本をご紹介したいと思います。
「あなたこそ たからもの」
文:伊藤真 絵:垂石眞子、大月書店2015
以前図書館で見かけ、
かわいらしい表紙に引かれて手にとりました。
よく見ると、
憲法の本と書いてありました。
憲法というと固いイメージがあって、
とっつきにくい感じがありますが、
中を開いてみるとそのイメージが吹き飛びました。
「なにをしているときが、いちばんしあわせ?
おやつをたべているとき?
あそんでいるとき?
…せんせいだって、おとうさんだって、
「これがきみのしあわせだよ」
なんて、きめることはできない。
いろいろ、すきなことがあるといいね。
いろんなしあわせをかんじられるといいね。
それは、あなたが、じぶんらしくいきていくということ。」
(8ページ)
あとがきを見てました。
この絵本は憲法の本質を
子供たちに手渡すために書かれた本だと書いてありました。
「国民主権」、「基本的人権」、「平和主義」。
そういえば習ったなあと思い出しましたが、
憲法で一番大切なのはその根っこにある、
「個人の尊重」だといいます。
「けんぽうが、やくにたったことってないなあ」
もし、そうおもったら、
あなたは、つよくて、おおくのひとのがわにいる。
「えー、そんなことないよ。
クラスいいんでも、おかねもちでもないし」
そうだね。でも、あなたがにっぽんじんで、けんこうで、
ふつうのせいかつができて、がっこうにかよえるなら、
それは、つよいがわにいることになる。
憲法が必要なのは弱い側にいる人たちだと言います。
障害や貧困、災害、いじめ、差別など、
困ったことを抱えていても、
みんなと同じように生活できるように、
みんなと同じように大切にされるようにするのが、
憲法の役割だといいます。
その憲法が力を発揮するにはどうしたらよいのか。
憲法にはどのようなことが書かれているのか。
この本にはそれらのことが、
やさしく、あたたかで、力強い言葉をもって書かれています。
「こまっていたら、「たすけて」っていおう。
ひとりでは がんばれないとき、
どうしたらいいか わからないとき、
おなかがすいて、あんしんできるばしょもないとき、
「たすけて!」といおう。
それは、はずかしいことじゃない。
かっこわるいことでもない。
…あなたのこえがとどけば、
なにかがかわる きっかけになる。
ゆうきをだして!」
(22~23ページ)
ああ、憲法にはそんなことが書いてあったんだなあと思いました。
今、憲法を変える話が出ていると言います。
だれにでもわかる言葉で憲法の本質が書かれたこの本。
未来に希望を託すこの本。
今だからこそ、
大人が読みたい本のように思えました。
「あなたこそ たからもの」
ひととき、
心が温かくなりました。
多くの方にぜひおすすめしたい本です。
お読みいただきありがとうございました。
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