「あったらいいな、こんな車いす」 (斎藤多加子著、汐文社2020)~これは車いすの本、そして想像力のつかいかたの本!【読んでみました本・絵本】

絵本・本 ~読んでみました

こんにちは! わさびなです。

 

今回は本(児童書)のご紹介をしたいと思います。

 

「あったらいいな」を「ある」に。
「できたらいいな」を「できる」に。

本当にできることを教えてくれる本です。

 

 

「あったらいいな、こんな車いす」
斎藤多加子著、汐文社2020 
(対象小学校中学年から高学年)

 

 

 

図書館でみかけて借りてきました。

楽しそうな表紙に引き寄せられ、
車いすのことをよく知らないので借りてみようと思いました。

 

 

  • 車いすの各部分
  • 車いすの種類~子供用から日常生活、スポーツ用まで
  • 車いすができるまで
  • 車いすを実際につかっている方のお話し
  • 車いすを押すときの注意

など、

写真もふんだんに掲載されていて、
わかりやすく書かれています。

著者の粘土絵もちりばめられていて、
この絵も見どころの1つ。

 

 

でも、それだけではありません。

 

びっくりしたのが車いすの進化ぶり。

  • 階段をのぼれる電動車いす
  • 車いすに手作りモーター部品をつけた車いすバイク
  • ごつごつした川原や雪上、牧場でもつかえるキャタピラ式アウトドア車いす
  • こたつ付き車いす
  • ゲームコントローラーで動かす車いす

等々

 

すごすぎるアクションをする、
車いすアクションスターも出てきます。
車いすかどうかは、もはや関係のない領域です。

 

 

車いすやロボットをつくる、研究者の吉藤オリィさんも登場(オリイ研究所)。

オリィさんは、
いつも「なぜ?」と考え、
できなかったことをできるようにする方法を考えているそうです。

オリィさんのお話しに、
どれだけ自分が既成概念にとらわれているかに気づかされました。

 

 

また、車いすトラベラーの三代達也さんのエピソードも書かれています。
三代さんは車いすで世界一周の一人旅を成し遂げた人物です。

本気と勇気。
それがまわりの人たちの心を動かしていく。

人間には自分が思っている以上の力があるに違いありません。

 

 

私は英文雑誌の翻訳をしているのですが、
ちょうど、ロブ・ホプキンスという人がはじめた新しいポッドキャスト(音声記録)
の記事を翻訳した後に、この本に出会いました。

そのポッドキャストは、
「『未来の想像』から『未来にむけて行動』へ」
という、想像を現実化することがコンセプト。

この本に書かれていることは、
まさにその実践例だと思いました。

 

 

著者の斎藤多加子さんが「はじめに」でこんなことを書かれています。

「…ほかの人のことを考えるようになったとき、
べんりな道具も、くらしやすい町も、気持ちのいい社会も
『あったらいいな』から、『ある』になるでしょう。
そうすれば、だれもがにこにこできる未来があるでしょう。」

 

 

この本も、
「『あったらいいな』」が『ある』になった」1つなのかもしれません。

何かができるような気がしてきます。
子供だけでなく大人にもおすすめの1冊。

 

 

お読みくださってありがとうございました。