月刊たくさんのふしぎ「ハチという虫」(文・写真:藤丸篤夫、福音館書店2021)~ハチの世界から見える壮大で精巧な生命のネットワーク~【読んでみました本・絵本】

絵本・本 ~読んでみました

こんにちは! わさびなです。

今回は最近読んだ本をご紹介したいと思います。

 

月刊たくさんのふしぎ
「ハチという虫」
文・写真:藤丸篤夫

 

 

家庭菜園でよく見かけるハチ。

決して虫好きではありませんが、
種類や生態を知っておくと役立ちそうだと思って、
この本を読んでみようと思いました。

虫好きではないので、
写真にはちょっとどきどきしてしまうこともありましたが、
何気なく見ていたハチの進化の過程や、
自然界での働きに本当にびっくり!でした。

生きものの壮大なネットワークが垣間見えるようでした。

 

「ハチという虫」、
以下にご紹介します。

本の内容について

ハチの進化

本書で書かれている内容を、
大まかにご説明したいと思います。

 

この本では、各種のハチについて、
進化に沿って、写真を交えて説明されています。

まずはじめに出てくるのが、
地球上に最初に登場したという、
原始的なハチである「ハバチ」や「キバチ」。

多くが植物を幼虫のエサにするハチだそうです。

 

その後に昆虫を幼虫のエサにするハチ、
「寄生バチ」が誕生しました。

針のように鋭い産卵管で、
毒を注入したり、
卵を産みつけたりするそうです。

寄生バチの寄生の方法には2種類あり、
寄主(虫など)の表面に卵をうみつける外部寄生と、
寄主の体内に卵を産みつける内部寄生があるそうです。

 

寄生バチは様々に進化を遂げていきますが、
子育てをより確実にするために、
エサを巣にたくわえる「狩りバチ」も誕生しました。

毒針は産卵管としてではなく、
もっぱら武器として使われることになりました。

 

狩りバチはさらに進化して、
集団で巣づくりや子育てをする社会性狩りバチが生まれたそうです
(アシナガバチやスズメバチ)。

 

そしてなんと、
狩りバチの中から、
再び植物をエサにするハチが出現します。

ハナバチと呼ばれ、
クマバチやミツバチがこれに当てはまります。

ハナバチからも社会性が高いハチが生まれました。
ミツバチは、集団で巣づくりや子育てをする社会性の高いハナバチだそうです。

 

思ったこと

読んでみていろいろな発見がありました。

 

狩りバチからも、
ハナバチの中からも、
社会性のあるハチが出現しています。

互いに協力するという社会性は生存共存に有利だと耳にすることはありましたが、
ハチの進化を見ることで、
生きものに共通することかもしれないと感じました。

 

一方で、社会性のあるハチが出現した後も、
それ以外のハチがいなくなることはありませんでした。

進化することで多様になっていくようです。

 

寄生バチですが、
寄生された虫などが何だか可愛そうと思ってしまいました。

でも寄生バチの存在は、
特定の虫が増えないように働いているそうなのです。

なんと、
寄生バチに寄生されない昆虫はほとんどいないそうですよ!

さらに!!
日本に存在する寄生バチはなんと約3000種もいるそうです。

 

虫たちの絶妙なバランスを保つのに、
知らないところで寄生バチが大活躍していることがうかがわれました。

 

さらにさらに面白いのは、
生きものを幼虫のエサにした寄生バチの後に、
ふたたび、植物を幼虫のエサにするハナバチが登場しています。

このハナバチの花粉や蜜を集める行動が授粉につながり、
植物が種をつくる助けになっています。

 

ハチだけでなく、
さまざまな生きものが繁栄するようにハチが進化しているんですね!!

 

この超精巧なシステム。

ハチだけでもこうなのですから、
生きもの全体を考えたら、
想像もつかないような絶妙なバランスの、
壮大な世界が自然界には広がっているのではないでしょうか。

ひとつの生きものの存在が不都合にみえるようでも、
そのひとつをねらい撃ちにしてなくしてしまおうとすることは、
かえって混乱を招くことになるのかもしれません。

自然界の絶妙なバランスがどのように働いているのかを知ることが
大切なのだと思いました。

 

植物を育てている方や虫に興味のある方でなくても、
読んでみたら何かの発見があるかもしれません。

おすすめです!

 

「月刊たくさんのふしぎ」

「月刊たくさんのふしぎ」は、
福音館書店から発刊されている、
小学生向けの科学雑誌です。

図書館に置いてあるのを見かけて知りました。
子供に読もうと思ったのがきっかけで借りるようになりましたが、
大人の私にも発見が多く、
今では自分の楽しみに読んでいます。

自然についてだけでなく、
生活や歴史など幅広いジャンルを扱っています。

月刊たくさんのふしぎ:福音館書店ウェブサイト⇒

 

家庭菜園のアシナガバチ

小さな木の下にできているのを5月末に気づきました。

気がついたのはこの木を見に行った後のこと。

巣のすぐ入口に1匹、
女王蜂らしきハチがとまっていましたが、
飛んでくることもなく、
静かにじっとしていました。

 

作業する場所にあまりに近いということがなければ、
アシナガバチの巣をどうこうすることはしません。

野菜の葉を食べてしまうイモムシなども食べてくれるので、
いてくれると助かります。

こちらが攻撃したり、邪魔なことをしなければ、
襲ってくることはないような印象があります。

 

この巣は地上すれすれにできていました。
ハチの巣が低いとその年は雨が多いといもいわれるそうです。

今年は大きくなった巣はこの巣しか見ていないので何とも言えませんが、
確かに今年の梅雨は長く雨が多かったです。

他の巣はどうなっているのかな?

 

読んでくださってありがとうー!!