自分の頭で考えられるようになるために:在宅時間が長い今だからこそ絵本で探求する喜びを~絵本のアナログさが知的好奇心のエンジンに:かこさとしさんの科学・知識絵本から学ぶ

これからの仕事・働き方

こんにちは! わさびなです。

 

何かと活動に制約の多い今。
家にいる時間も長くなりがちかもしれません。

だからこそ見直せるものの1つに、
絵本もあるのではと思いました。

 

絵本は、
本さえあればいつでもどこでも楽しめます。

充電も必要ありませんし、
目にもやさしいです。

ある程度の年齢になればひとりで読めます。

 

絵本には物語を書いたものはもちろん、
子どもが(大人も)、
「知りたい」!意欲を引き出してくれるものもたくさんあります。

 

 

たとえばかこさとしさんの絵本!

ボランティアで子ども会の活動を20年続け、
大人の管理・指導がおよばない場所での子どもを見てきたかこさん。
科学・知識絵本をふくめた、多くの絵本を残されました。

 

 

 

 

 

 

 

本人の学ぼう、追求しようという意欲が唯一と言っていいほど大事

外での学習機会が限られがちな今の時期、
かこさんのこの言葉に励まされる方も多いかもしれません。

20年間、
自由に遊び回る多くの子どもたちを見てきたかこさんの言葉には
説得力があります。

ひとりでも、
いえ、ひとりだからこそ自分の興味を心の赴くままに追求できる。

今は大変な時期に間違いありませんが、
子ども・大人ともに、
「ひとりでいること」のメリットを最大限活用できるチャンスでもあるかもしれません。

 

 

 

かこさとしさんの絵本は600冊以上。

私はほんの一部しか読めてないので、
ファンというにはおこがましいかもしれないのですが、
かこさんの絵本を知れば知るほど、
かこさんの絵本の楽しさ、深さ、幅広さに驚きます。

 

今回の記事では、
「かこさとし 世界と子どもの不思議と共に」(河出書房新社)
「ちっちゃな科学 ー 好奇心がおおきくなる読書&教育論」(中央公論新社)
を読んで学んだ絵本の良さについて書いてみます。

よかったらぜひお付き合いくださいね!

 

工学が専門、25年間の社会人経験をもつかこさんの絵本

かこさとしさんが書かれた絵本は600冊をこえ、
そのうち科学・知識絵本は約300冊だそうです。

かこさとしさんは工学が専門で、
25年間民間企業に勤め、
研究者として働かれた時期もあります。

「一方に100パーセント以上の力を出したという自負があるからこそ、
他方にも100パーセントに近い力が出せる」のだと、
絵本の仕事をはじめてから、
会社での仕事には120パーセントで取り組んだといいます。

 

そんなかこさんは、
長く企業で働いた経験も活かして、
経済の絵本も書かれています

 

 

 

 

 

 

「やすくて おとくなあそび」農文協1992

このような絵本があるとは!とびっくりしました。
綺麗ごとだけではすまない社会でどのように生きるか、仕事をするか、
また、生活者としての知恵もつきそうだと思いました。
大人の私にとっても勉強になりました。
面白いです!!

 

 

かこさんの絵本については、
かこさとしさんの公式ウェブサイトをぜひご覧ください。

 

 

絵本に向けたかこさんの思い~「真の賢さ」を身につけてほしい

「これからの未来をつくる子どもたちに、子どもの未来へ向けた本を作りたい」

かこさんの絵本の編集担当者の方は、
かこさんから幾度となくこの言葉を聞いたそうです。

(「かこさとし 世界と子どもの不思議と共に」159頁)

 

 

第二次世界大戦中、
かこさんは軍人になって飛行機に乗ろうと思っていたといいます。

飛行機に乗るために必要な数学や理科は勉強したけれど、
歴史や国語などそれ以外のことは必要ないと切り捨ててしまったというかこさん。

目が悪かったために軍人になることなく敗戦を迎えましたが、
自分の世界を見る力のなさ、勉強不足を猛烈に悔いたといいます。

同級生の多くは戦地から戻らず、
死に残ったように感じて空虚な日々をおくっていたところ、
演劇研究会の活動に出会いました。

そこで子どもたちと触れ合う機会を得、
嘘偽りばかりの大人の世界とはまったく違う、
率直で嘘のない子どもたちの反応に魅せられたそうです。

演劇研究会の活動がかこさんを子どもの活動へと導いていきました。

 

かこさんはこう書いています。

「子どもさんには、
僕のように誤った判断をしないよう、
広い視野を持ち、
自分の頭で考えて行動できる、
真の賢さを身につけてほしい。
そう考えて600冊の本を作り続けてきました。」
(「ちっちゃな科学 ー 好奇心がおおきくなる読書&教育論」40ページ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人間」
福音館書店1995

 

 

知られざる子どもの成長の力

「本来、人間の持つ『生きよう』という意気込み、興味、好奇心を喚起すれば、
あとは子どもたちが自分の力でぐいぐい開拓していく。

(「かこさとし 世界と子どもの不思議と共に」8頁)

 

 

大学を卒業して企業につとめながら、
かこさんは休日を川崎でのセツルメント※のボランティア活動にあてました。

貴重な休日と、給料の3分の1を活動に使っていたといいます。
かこさんは子どもの活動(子ども会活動)を20年間継続したそうです。
(「かこさとし 世界と子どもの不思議と共に」120頁)

 

机上の学問を通してではなく、
子どもたちと触れ合う実際の活動を通して子どもを見てきたかこさん。

セツルメント活動は研究を目的とするものではなく、
地域を良くするための活動でした。

かこさんは大人の管理や指導がおよばないところでの、
子どものすばらしい成長の力を目にします。

 

※生活が困窮する家庭への医療・教育・保育などの支援を行い、
地域の福祉をはかるボランティア活動

 

子どもは小さなアインシュタイン

子どもたちは何かに興味をもって深めていくと、
たちまち子供の図鑑などは読んでしまい、
さらに自分の知的欲求を満たすものを求める。

でも大人向けの本では言葉の意味がわからなくて、
先に進めない。

結局諦めることになり、
燃えはじめた意慾が消えてしまう。

 

 

 

かこさんは子どもたちが何かに熱中する様子を見て、
このように言っています。

「子どもさんといえど、
真っ当な面白さにぶつかると「もうやめなさい」と
こちらが言いたくなるぐらいに熱中して、突き進んじゃう。
それは川崎の子どもたちと接して見せつけられたものですから。」

「子どもたちが追求する姿を見て、
僕は『小さなアインシュタイン』と称しています。
お金もいらず、名誉もいらず、
ただその対象物への科学的な興味で追求したいという子どもたちの姿勢は、
理論物理学者のアインシュタインと同じではないかと思います。

そういう力をすべての子どもたちは持っているのです。…」

(「かこさとし 世界と子どもの不思議と共に」8、12頁)

 

 

子どもたちの個性の驚きの広がり

かこさんが20年で2000人の子どもたちと接した経験では、
子どもたちの興味のテーマは300項目位あったそうです。

全国の子どもに対象を広げれば、
興味の対象となるのはおよそ1000の分野になるだろうとかこさんは言います。

 

 

かこさんはまた、
興味は性差や環境のみで分かれるわけではないと考えていました。

「一般的に男子は理工的な事項、女子は文芸的な事項に興味を持つといわれていますが、
20年ほどの経験によれば、
4歳の女児がダンゴムシに、7歳の男子が子ども新聞の編集製作に熱中していたり、
2000人の子どもの興味、好奇心は300項目以上の分布分散を示しました。
その違いは時代、地域、環境、家庭、学校教育等の影響のみでなく
主として子どもの個性差にもとづくと思われました。
例えば男子はカブトムシを全員好きなのではなく、
トンボからゴキブリに至る見事な分散をし、
その分野は10歳頃の日本の子では、恐らく1000近い項目に散開していると推定しています。
この好奇心に応える深い内容で理解できる説明指導示唆の本や実務が要望され、
そうした専門家が最低1000人必要なのだと考えています。」

(「ちっちゃな科学 ー 好奇心がおおきくなる読書&教育論」78頁)

 

本人の意欲がいちばん大事

かこさんは、
何よりも子どもの自発的な思いが大切だと思っていました。

「…子どもさんのね、
興味赴くままに追求していく姿勢というのを育てることがとても大事。
その先にある『真の賢さ』を自覚しながら勉学に励むのが一番よい方法。

外からものすごくいい先生を招いたり、
いい学校に入ったりすれば子どもが伸びるかというとそういうわけではありません。
本人の学ぼう、追求しようという意慾が唯一と言っていいほど大事。
ぜひ意欲をもった子どもさんになっていただきたい。
そういう賢い子どもさんになってもらわないと、
未来が開けないんじゃないかと思っています。」

(「ちっちゃな科学 ー 好奇心がおおきくなる読書&教育論」55-56頁)

 

 

 

 

 

 

 

「ピラミッド」
偕成社1990

 

 

かこさんの絵本づくり~子どもたちの成長する力を応援できるように

読んでいて楽しい~「真の楽しさ」を味わえる絵本

子どもの成長する力を知っていたかこさんは、
その力を伸ばす応援をしたいと思っていました。

 

物事を理解していく面白さ。
知的探求心が満たされる楽しさ。

子どもたちの成長する力がさらに伸びていくようにと、
小手先の面白さではない、
「真の楽しさ」を子どもたちが味わえるように力を注がれていました。

 

 

情報を集めて伝える内容を吟味したら、
子どもたちが無理なく理解でき、
かつ、飽きない構成を考えるのに時間をかけたといいます。

この構成がもっとも大切だというかこさん。
絵本づくりでは8~9割を構成に割いたそうです。

 

子どもは正直です。
楽しくなければ読みません。

難しい言葉をただかみ砕いて伝えるのではなく、
楽しく読めるようにする。

20年間子どもたちの活動に携わってきた経験が、
かこさんの大きな助けになったに違いありません。

 

 

理解してもらいたいポイントに絞る

大人の本とくらべて紙面に限界のある絵本。
子どもが理解できるように表現に工夫が必要な絵本。

かこさんは、
子どもたちに理解してもらいたいポイントに、
子どもたちが集中できるよう、
描くものを入念に絞りこみました。

 

逆に書かれているものはひとつ残らず意味のあること。

絵本に描かれたもの・ことは、
子どもに何を伝えるべきか、
かこさんが入念に考え抜いたメッセージだったのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「台風のついせき 竜巻のついきゅう」
小峰書店2001

 

 

総合性を大切にする

物事はそれ単独で存在しているのではないこと。

 

かけ離れてみえるようなことでも関わり合いがあることを、
かこさんは子どもたちに知ってもらいたいと思っていました。

絵本づくりではその点にも心配りをしていました。

 

 

実はこの世界というのは、
いろいろなかけ離れた分野の総合で成り立っているのだと。
そのことを一つの絵で示してあげると
『あ、そうか』と子どもさんは理解できるのです。

単に部分の理解ではなくて、
いろいろなものがお互いに影響し合いながら、
あるいは助け合いながら生きている世界なんだとわかっていただかないと、
非常に狭い分野の科学屋になったり、
人間になったりしてしまいます。」

(「かこさとし 世界と子どもの不思議と共に」16頁)

 

 

かこさんは川崎でのセツルメント活動を通して、
総合性の大切さを学んだといいます。

「僕の専門ではない医学とか教育学とか法律とかの連中と一緒になって、
街の問題をよくしようと活動していたときに学びました。
『ちょっと問題のある発言をするな』という子どもがいたとすると、
その子どものある一面を見ていたのでは問題は解決できない。
家族のこと、医学的なことなど総合的にいろいろな観点からアプローチしないと、
人間という複雑な生き物、あるいは複雑な社会の理解や、
問題の解決にはなかなか至らないのです。
総合性がないとね。」

(同16頁)

 

 

 

 

 

 

 

 

「大地のめぐみ 土の力 大作戦」
小峰書店2003

 

 

「知りたい」の手がかりになるもの

「…そういう子は学校の図書館や何かをのぞき込んで、
子ども向けの昆虫の本を盛んに読んでしまっていて、
その知識で『こんなのは知ってるよ』というわけです。
『もっと深いところが知りたい』と求めている。

ところが周りの本には通り一遍のことしか書いていない。
だからもっと知りたくて、専門の論文みたいなものがほしいという。
でも論文は子どもが理解できない難しい言葉で書かれているから、
子どもには読み切れないわけですよね。

だからその子の理解の輪の中に入るような書き方であれば、
その内容が非常に深いものでも、ぱっとわかるわけです。」

(「かこさとし 世界と子どもの不思議と共に」11頁

 

 

子どもの知的探求心に火がつくとどのようになるのかを
かこさんは経験を通して知っていました。

 

表面的な面白さや刺激ではない、
内容が深く楽しく、子どもの興味にこたえるもの、
子どもの「知りたい」という気持ちの手がかりになるものを書く。
それがかこさんの絵本づくりの姿勢でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「富士山大ばくはつ」
小峰書店1998

 

 

科学絵本づくりは学術論文まで読みこむ入念な調査

子どもたちは自分よりも少なくとも20年は長生きする。
だとすれば20年後も通用する内容を書かないといけない。

 

そう考えたかこさん。

20年後を見越した内容をかけるよう、
絵本づくりに入る前に、
学術論文まで読み込んだ入念な調査をしていました。

 

たとえば絵本「地球」(福音館、1975年出版

各理論を調べた結果、
かこさんが適切と判断した、
当時はまだ仮説だったプレートテクトニクス論を取り上げて書きました。

 

絵本「宇宙」(福音館、1978年出版では、
資料集めに約10年かかったといいます。

「宇宙」を描くために、
25年勤めた会社をやめ、
資料をあつめるアトリエを自宅に増設したそうです。

 

ちなみに、
「海」(福音館書店1969は、
2017年のアマゾンの売れ筋ランキングで、
「海洋学分野」の1位になったことがあったそうです
(「かこさとし 世界と子どもの不思議と共に」90頁)。

今回この記事を書くときにも調べてみましたが、
「4位」でした(2020年10月14日確認時点)。
50年も前の本です。
すごい!!

 

 

子どもたちの「知りたい」に真正面から応えるものを書きたい。

子どもたちが自分の手で未来を切り拓いていけるように、
子どもたちの未来に向けた本を書きたい。

 

かこさんの心の底から湧き上がるような思いが伝わってくるエピソードだと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

「宇宙」
福音館書店1978

 

 

 

絵本の制約こそが成長のいとなみにふさわしい

絵本には音声や映像などがなく、
それらを伴う手段とくらべて、
即座に感覚に浸み込むような強い影響がありません。

そのため、
そのような手段とくらべれば劣っているとの考えもあるかもしれません。

けれどもかこさんは、
絵本のそうした制約、ゆるやかさこそが、
子どもの成長のいとなみにふさわしいと確信していました。

 

 

絵本の自由さ。

子どもが自分で判断して読むことを決め、
読む絵本を選び、
途中で読むのをやめることもできる。

途中でとまって1つのページをいつまででも見られて、
前に戻るのも、
先を読むのも自由自在。

絵本は自発的・主体的な姿勢につながります。

「~なさい」といわれたらしぼんでしまう意欲も、
自由気ままに振舞えればふくらんでいくのは想像できます。

 

また思えば身体が未発達な子どもにとって、
音声や映像の効果は大人よりも大きく、
そのような手段をともなわない絵本だからこそ、
子どもが自分のペースで感じ、考え、理解する自由も保たれるのかもしれません。

成長途上の子どもたちの目や身体への負担も軽いです。

 

 

 

かこさんは絵本という手段について以下のように語っています。

「子どへの浸透寄与影響が第一であるなら、
もちろん出版形式にこだわる必要はない。
より強力な音声や動的映像や立体表示という手段や、
人格的接触や対応や生活的交流といった効果的手法が動員されることが望ましいが、
かがくの本や科学書はそうした方法手段をさけ、
制限と制約のある条件の下で、
たんにそれを欠点やいいわけとするのではなく、
子どもという成長する営みに応ずるには、
自ら律し選択し放棄しうる自由とゆるやかさこそが
ふさわしいという確信がつらぬかれているからである。
実験とか思考とかを云々する論者は、
こうした出版書籍形式を文書第一主義や、
おくれた教育法の教科書主義ととりちがえたり、
ティーチングマシーンやワープロの使用即進歩と思いちがいしていたのではないだろうか。」

(「ちっちゃな科学 ー 好奇心がおおきくなる読書&教育論」146-147頁)

 

 

 

 

 

 

 

「海」
福音館書店1969

 

 

意欲が人生や社会を切り拓く力になる

かこさんは、
子どもが興味をもったことを探求していくことが
科学者になることに直結するとは考えていませんでした。

将来の仕事につながるからという理由で
知りたい意欲が大切だと考えていたわけでもありませんでした。

 

かこさんはこう言っています。

「…子どもたちの欲求が燃えている時代に、
1つでもその子に応じたものがあれば、
自分で開拓して自分の意志の赴くままに追求しようとします。

その態度は、
素晴らしい科学者になるとかそういうことではないけれども、
人生や社会を切り拓いていく力になるのです。
自分の目で見て、考えて、判断して行動するという。
それを失うと、ただ生きていることになる。
本人もがっかりでしょうし、
社会にとってもマイナスで、もったいない話ですよね。」

(「かこさとし 世界と子どもの不思議と共に」17頁)

 

 

かこさんの科学技術への考え

数々の科学・知識絵本を書かれたかこさん。

晩年には、
地球環境の危機、
省みられることのない経済至上主義、
なくならない戦争や人種差別など、
人間に対する深い憂慮の念がありました。

 

科学技術、
また科学技術にたずさわる人間がどうあるべきか、
こう話されています。

「…民衆の生活の安全とかを踏みにじってまでやっているならば、
大いに批判されなければならないと思います。

私は技術主義・技術礼賛ではありませんが、
人間の技術の積み重ねや流れを記録して、
その上に現在があることをちゃんと踏まえることが必要だと思います。
星占いや錬金術の時代が過去にあり、
当時は意味があり貴重なものであって、
その歴史の上に現在があるのだけれど、今はその時ではないというように。
そして歴史を理解していく上で、これからどういうふうになっていくか、
その見通しを持たなければなりません。
それが科学なり技術なりに携わるものの、非常に大事なところでしょうね。」

(「かこさとし 世界と子どもの不思議と共に」14頁)

 

 

科学の喜び・楽しさについて、
かこさんはご自身が1979年に設立した、
科学・文化・教育・福祉の総合研究所をあげていらっしゃいます。

戦後のセツルメント活動で、
医療・法律・文学・教育などの複数分野の専門知識と実践の総合連携が、
実際に地域に良い影響をもたらしたことを踏まえて設立されたとのことです。

(参考:「ちっちゃな科学 ー 好奇心がおおきくなる読書&教育論」110頁、
「かこさとし 世界と子どもの不思議と共に」16頁)

 

 

科学は単独で存在するものではない。
さまざまな分野のつながりの中に存在するものであり、
そのつながりの中でこそ活かされるもの。

そこに科学の喜びもある。

 

かこさんの姿勢・活動の中に、
これからの科学技術の発展に必要な、
具体的な方向性のヒントがあるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

「万里の長城」
福音館書店2011

 

 

参考図書~おすすめです!!

この記事を書くのに大変お世話になった2冊です。

かこさんの絵本についてだけでなく、
これからの子育てや教育はもちろん、
大人がどう生きるかを考える上でも大変参考になる本だと思います。

おすすめです!

 

 

「かこさとし 世界と子どもの不思議と共に」
河出書房新社2017

 

 

 

 

 

 

単独インタビューから対談、
あとがきセレクション、かこさとしさんの科学絵本について科学者の方々からの寄稿、
児童文学・文化評論家の方や担当編集者の方のエッセイ、著作リストなど、
読めば読むほど発見があります。

 

 

 

「ちっちゃな科学 ー 好奇心がおおきくなる読書&教育論」
かこさとし+福岡伸一
中央公論新社2016

 

 

 

 

 

 

生物学者の福岡伸一さんとの対談や、
科学的センスについてのQ&Aをはじめ、
総合的な学習や子供たちとかがくよみものについてのかこさんの論考、
福岡伸一さんのエッセイが盛り込まれています。

対談やQ&Aコーナーでは、
子どもの好奇心について、
文系と理系に分けることの意義や理系教育の問題点、
IT環境での子育てで気をつけることなど、
今後の子育て・教育を考える上で大変参考になると思われる内容が語られています。

 

 

最後に

かこさんがセツルメントの活動で見てきた子どもたちの様子に、
とても心惹かれました。

興味を探求しようとする意欲。
素晴らしい個性の広がり。

一人の人間の中には素晴らしい力が備わっている。

 

興味をおもむくままに追求しようとする態度が
人生や社会を切り拓く力になるという、
かこさんの言葉が心に響きました。

 

 

子どもも、そして大人も、
生きる力を伸ばせるように、
かこさんの思いを発展させる何かを、
私もできたら思います。

 

今回記事を書いてみて、
かこさんの絵本を読むのがますます楽しみになりました。
じっくり読み進めたいと思います。

 

お読みくださってありがとうございました!

 

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